「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第10号 「合成の誤謬凄まじく」

経済同好会新聞 第10号

経済同好会新聞 第10号

 

国の借金 意図的な造語か

 合成の誤謬とはミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、必ずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語。


グラフ:日本政府 債務残高の推移

日本政府 債務残高の推移

日本政府 債務残高の推移

 グラフは日本政府の債務残高の推移、2015年(平成27年)時点では名目の金額で1872年(明治5年)の3740万倍。実質の金額でも1885年(明治18年)の546倍となっている。この債務残高はいわゆる「国の借金」であるが、正しくは「政府の負債」。債務残高がこれほどの規模まで増え、財政破綻してこなかったことは特筆すべきことである。

 

国の借金という嘘

 財政破綻しなかった理由とは、「政府の負債」を減らしている国はないことから、増加する一方であることは明らか。過去から現在における負債として計上したものが債務残高(政府の貨幣発行残高)である。この政府の負債を意図的に「国の借金」と言い換え、国民不安を煽り「借金は減らさなければ」と国民の良心や善意を利用していることが透けて見えてくる。
 政府の負債は増えることで経世済民が果たされてきた。それを減らそうと数十年やってきたのが「国の借金」という罠である。嘘が引き起こした末路は悲惨なものである。

 

合成の誤謬

 国民は家計簿視点から、「国の借金を減らすことは正しいことだ」と声を上げ緊縮財政の風潮を醸成し、やがては国家全体が国民の良心とは無関係に衰退する結果に。この出所は財務省であるが、これが広まった結果が合成の誤謬に至った現実である。

 必要なかった消費増税、緊縮財政による予算の付け替えや削減をした結果、企業倒産や大企業の大量リストラ、各分野の衰退と継承不足を招き続けている。

 現総理大臣が日本の憲政史上、もっとも実質賃金を引き下げ、実質消費を減らし、出生数を減らしたのもこれらの結果である。

 

緊縮財政で人が死ぬ国家に

 合成の誤謬により企業が倒産し、人が死ぬ。嘘が広がり浸透したことで国民・国家が著しく毀損されてしまったことは、現実がまざまざと証明している。

 将来世代にツケを残すどころか、現在進行形で国民にツケを払わせ、将来世代にもツケを残し払わせることになる。

 一部財務官僚の出世、現政権維持と引き換えに、国民・国家が多大な毀損を負
っている。経世済民へ即刻転換しなければ我が国は没落の一途だ。デフレ時の緊縮財政はここまで国民と国家を毀損してしまうのだと学ばなければならない。