経済同好会新聞 第68号 「消費増税深刻化の事実」
西村経産大臣 起用誤る
後輩の小林経済諮問委が犯し続ける過ち
米ハーバード大学の経済学者、カーメン・ラインハート氏とケネス・ロゴフ氏の公的債務をめぐる研究に誤りがあると米研究者らが指摘していた問題で、両氏は17日、研究内容に誤りがあったと認めた(ロイター)。
記事は2013年のもので、この両氏は政府債務(政府赤字)が対国内総生産(GDP)比で90%を超えると経済成長率が劇的に減速すると研究成果を公表していた。。これを誤りだと認めているが、西村大臣の経産省での後輩にあたる経済諮問委の小林慶一郎氏は、この誤った認識を未だに持ち続けている。
日本はかつて「ジャパンアズナンバーワン」と世界から称賛を受けるほど輝いていた時代があり、現代のような「努力不足」で企業が凋落したわけではない。海外との競争にしろ、負けてしまう原因は明白で、当新聞で何度も掲載している緊縮財政によるものだ。
諮問委の小林氏は以前から現在に至るまで緊縮財政を推進し、日本の衰退を招いているが、ラインハート氏とロゴフ氏は2013年に誤りを認めていることから、アメリカは衰退せずに済んでいる。
日本はデフレ国家の実験場として揶揄されるほどの「悪い見本市」になっている事実は忸怩たる思いだ。
西村大臣は誤った経済観を持つ後輩の小林氏を起用したことで、日本の更なる貧困と格差拡大を招くことは容易に想像が出来る。人事の変更を強く求めたい。
政府赤字の事実とは
政府赤字は非政府部門の黒字に等しく、その結果、所得が生まれて貯蓄となる。貯蓄とは政府に対する債権であり、最も安全な資産である。主権を有する政府が自らの通貨で支払い不能となり、期日における支払いが意図せず滞ることなどありえないからだ(L・ランダル・レイ)。
上記掲載のグラフにある政府支出は政府赤字のこと。政府の赤字が増えると国民の平均給与が上がることが分かる。政府の赤字は非政府部門(民間)の黒字とランダル・レイが指摘する通り。
赤字になると借金返済のイメージがつきまとうが、政府の借金は民間の黒字、ひいては国家全体、将来世代に渡る資産であることは誰にも否定出来ない事実だ。民間の借金とは全く異なる。
日本の主流派経済学者は頑なに過ちを認めないが、このせいで日本は貧困化した事実は総括しなければならない。