経済同好会新聞 第129号「妥協 人質論法の蔓延」
妥協 人質論法の蔓延
国の借金は人質論法だった
犯人が人質を盾に金品を要求する。このような悪質で汚いやり方は到底許されるものではないが、これと同様の状況を生み出しているのが国の借金という言葉とその取り扱いだ。
度々、メディア等で出て来る国の借金という言葉で想像することは、「国民が背負っている借金」ということではないだろうか。当新聞で何度も掲載してきたが、国の借金は政府の借金(政府負債)のことであって国民の借金ではない。
ところが、国民が今回のコロナ禍や災害等で困っている際、政府がお金を出して救済措置を講じるはずだが、なぜかメディアが「国の借金が膨れあがって将来世代のツケが」等と報じたり、政府もお金を出そうとしない。
まさに、「国の借金」という言葉とイメージが将来世代を人質にし、現世代の我々国民は救済されずに我慢を強いられてしまうのだ。バブル崩壊後から現在に至るまでこの人質論法で多くが毀損されてきた。将来世代とは1秒後でも将来であるため、いま国民を救わなければ将来世代も何もあったものじゃないだろう。この論法は永久に使えるではないか。
パソナ系派遣企業の人質論法
竹中平蔵パソナ派遣企業会長は、労働者を企業に派遣することで利益を出す会社だ。デフレ下において、企業は安価な労働力を欲しており、派遣企業は安価な労働者を提供する。ハローワークのように労働者を仲介しているようで一見まともそうだが、パソナは仲介料という中抜きをして儲けを出しているのだ。
低賃金労働者、いわゆるワーキングプアは、働かないと生きていけないほどぎりぎりで、それ故に派遣企業に依存することが起きているのが現状だ。正確には「依存させる社会に構造改革した」という言うべきだろう。
竹中はデフレビジネスによって成り立っており、自らの会社がないと国民も企業も困るという状況を作り出し、そしてそのように仕向けて来たことを示すのが、彼が設けた不自然な指標の存在だ(詳細は当新聞第128号)。
低賃金労働者を多く欲する、企業のニーズと派遣企業とマッチしてしまうことは大きな社会問題であって、規制緩和してはいけなかったのだ。竹中平蔵のやり方は、労働者の生活を人質にとり、派遣企業に依存させている。
政商 竹中平蔵
レントシーキングとは、民間企業などが政府や官僚組織へ働きかけを行い、法制度や政治政策の変更を行うことで、自らに都合よく規制を設定したり、または都合よく規制の緩和をさせるなどして、超過利潤(レント)を得るための活動を指す。またこれらの活動を行う人をレントシーカーやロビイストなどと呼ぶ。
西田昌司議員はこう述べる。
産業競争力会議の民間議員である竹中さんが、経済財政諮問会議に対して「今のやり方ではまだまだ甘ったるい。もっと積極的に民間開放の提言をせよ。」などとふざけたことを言っているようですが、本当にけしからん話だと思っています。私は党内や様々な場所において、竹中さんを始めとする民間議員の露骨なレント・シーキングに警鐘を鳴らしています。
菅総理は竹中という人間を理解してるのだろうか?