「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第188号「財政規律路線は自縄自縛路線」

財政規律路線は自縄自縛路線

財政規律路線は自縄自縛路線

財政規律路線は自縄自縛路線

梯子を外される続ける企業と国民

 日本は自然災害大国と言っても過言ではなく、大昔から治水事業に力を入れて来た。そのため、土木・建設が発達した側面があり、公共工事に従事する企業も多かった。過去形なのは、倒産を余儀なくされた企業が数多くあるからだ。小泉政権時に公務員バッシングがテレビ朝日で連日のようにされていたという。政府は次第に公共工事の予算を減らすようになり、土木関係の企業が多く倒産した。政府に梯子を外されたのだ。
 国民の安全を確保するためには、消防署がいつでも火災現場に駆けつけ消火活動をするように、日々の訓練を行っていないといけない。同様に、絶やしてはいけないのが土木・建設業である。今ある安全は大昔から日本が絶えず研鑽を積み重ね来た賜物であり、災害からの安全の確保と復旧の早さに繋がっていた。
 政府は国家のことを考えずに予算削減に踏み切っていったということは、国土を強くするために働く企業を淘汰したことになる。安全保障の視点がないのだ。倒産してしまった安全を供給していた公共事業者は、明日からすぐ復活してくださいというわけにはいかない。現在、このような事態が医療方面でも起きており、病床数削減や保健所の削減のツケが如実に表れている。

 

財政規律は安全を破壊した

 災害時に活躍した公務員が少なくなった理由は、言わずもがな、財政規律路線のためだ。日本の公務員の数は人口比でも少なく、驚くべきことに、公務員の非正規化が進んでいる。災害大国である日本こそ公務員の数を増やさなければならない所を、増やさずにコスト削減をしている惨状が我が国の恐ろしいところである。
 特別定額給付金が円滑に進まなかった理由も、公務員の数が少ないからだ。大阪維新の無駄の削減、身を切る改革のツケが、大阪が自ら負ってしまった形だ。
 公務員の数を増やすことは、安全保障上の面からも理に適っている。だが、政府の予算削減と地方交付税交付金を減らした財政規律路線では、公務員を生かすことができない。財政規律ありきは、容易に安全を破壊するのだ。
 経済が停滞してからこの二十数年は、財政規律路線の賜物である。その上でいくら知恵を出そうが絵に描いた餅でしかない。コロナ感染拡大も経済停滞も、財政規律がネックになっているからに他ならない。まさに自縄自縛だ。

 

世間知らずの御用経済学者

 経済は生き物だ。よく考えて見れば分かることだが、様々な考えを持った人達が経済活動をしている。

 全ての分野の声を拾い上げれば、財政規律路線は自縄自縛に陥っていると理解できることだ。御用学者に成り果てた一部経済学者の世間知らずぶりは、とにかく世間を無視することにある。消費税増税を提言したり、財政健全化の維持を主張する彼らは、予算削減を後押ししてきた。

 このコロナ禍で日本の弱体化が浮きぼりになったこと、そして政府に財政拡大を提言し、救済することに力を注ぐことをを彼ら御用学者は一切していない。アメリカの経済学者はこの有事で財政拡大を提言しているが、日本の方はダメなようだ。

 

 

   

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