経済同好会新聞 第192号「主流派経済学者の驕り」
主流派経済学者の驕り
経済成長は需要が肝要、供給との追いかけっこ
積極的な財政金融政策を執り、需要を拡大することを提唱している人がいる。元連邦準備制度理事会(FRB)議長のジャネット・イエレン氏だ。現在はバイデン政権の財務長官に就任。
イエレン氏は主流派経済学の「供給によって経済成長が決まる」ことを否定し、需要に重きを置くようになったと見られる。それもそのはず、どれだけ供給力(物やサービス)を強化しようと、需要側(消費者)に購買力がなければ売れるわけがない。売れなければ供給側は利益を出せず、縮小するしかないのだ。その手段として商品を安くするか、人件費を下げるか、或いはリストラするかで存続させることになる。これが続けば倒産だ。そして、供給が失われる。加えて、リストラされた労働者は所得がなくなるため、需要側は更に脆弱になる。日本は数十年もこんなことをしているのだ。
イエレン氏はこの逆をやろうとしており、それを「高圧経済」と呼ぶ。需要側(消費者)を拡大することで、供給側も並行して拡大されていくことを意味している。当新聞でも書いてきたが、経済成長は需要と供給が追いかけっこしている状態だ。日本の好景気がそうだったのだ。
その時分は、消費者に応えるように企業はよく設備投資と人材を確保しながらイノベーションを起こしていった。当時を知る人は「今の中国がそのように見える」と悔しがる。
傲慢不遜な政治家
この有事で「持たない企業は潰す」と言った政治家や、「ゾンビ企業は退場」と言う政治家がいることはご存知だろうか。
ゾンビ企業という言い方は失礼であり傲慢であるが企業をそのような状態にさせたのは他でもない、経済政策を誤り続けた日本政府である。
例えるなら、親が子供の食事を減らして衰弱させておいて、「あいつはなんとみそぼらしい子だ」と逆切れして切り捨てるようなものだ。あまりにも常軌を逸している。この世のものとは思えない言いようだ。
政治の至らなさを企業のせいにしたのだ。居直りである。
弱体化した企業に対し、ゾンビ呼ばわりするその知性のなさ。人気取りのために多少イメージが悪かろうと刺激的な言葉を用いる浅ましさ。こういった政治家は政治家以前に人間性の問題だ。
政治家、財務省、主流派経済学者もイエレン氏はこう述べているが、謙虚に受け止めるべきだ。
需要不足は供給力を弱体化させるに至り、経済の潜在成長力も衰退させる。
この数十年の日本の停滞と衰退はイエレン氏が述べた通り。企業やお店はいくら努力しても持たなくなったのだ。
積極財政は需要を刺激したことは、日本は既に好景気で経験している。それをやれば良いのだ。政府が支出を渋れば渋るほど衰退するということも、この数十年で日本が証明した。いつまでこんな馬鹿なことを続けているのだ。
日本が好景気だった頃の構造に戻し、税制も累進性のあるもののみに戻す。民営化で不具合が出ているところは公営化に戻す。加えて、需要を刺激する積極財政へ。