一生続く緊縮財政のツケ払い
現世代から将来世代のツケはなくならない
将来世代のツケと言われてから久しく、いつまで経ってもツケの清算は終わらないようだ。実はこのツケが出る仕組みは、緊縮財政と「将来世代のツケ」という言葉がセットになっているからだ。どういうことだろうか。
当新聞では何度も国の借金は国民の借金ではないと言い続けて来た。国の借金とは政府の負債のことで、これをあたかも国民の借金に見立て、将来世代のツケであると財務省や主流派経済学者が言っているのだ。信じがたい話だが、一部政治家も堂々と言い切っている。
さて、国の借金が政府の負債のことであれば、将来世代のツケはこの時点でないことが明確になっている。なぜなら、政府の負債は借り換えによってその役目を終えているからだ。家系では借金を踏み倒すことは出来ないが、政府の場合はお金を発行する主体であるため、日銀(中央銀行)から借りたお金はお金を発行して返済している。英国や米国も同様だ。
この事実を否定してきたのが日本。つまり、国の借金で破綻する!というのは、デマであり将来世代のツケも嘘。我々国民は受けなくても良い痛みを嘘によって受け続けてきたのだ。したがって、緊縮財政と「将来世代のツケ」がまかり通る限り、国は衰退し、ツケは一生続くことになる。大前提を誤れば、結果も誤ることは原因と結果の法則が示す通り。
経済は道徳視点が必要不可欠
我々国民の財布のヒモが緩む時を考えてみると分かりやすい話の例えに、イソップ寓話の北風と太陽の話がある。経済に例えると、どうなるか。
家計に余裕があり、将来も収入の見込みがある状態
このように、心理的な要因が大きい。これは家計に限らず、企業が人材育成や設備投資等をする場合も同様なのだ。
現在のような消費税が膨れ上がり、収入が上がらない場合、今まで買えたものの数を減らすことで調整するようになる。他の税金の支払いや、水道光熱費のような固定費等のために貯金もするだろう。出費を抑える心理になる。
当然のことながら、国民がものを買わなくなった分、企業の売り上げが落ちる。そして、そこで働く人の賃金(収入)は上がらないか減る。働く人は消費者でもあるのだ。これらは北風に例えられるが、負のスパイラルが起きていることが分かる。つまりこうだ。
家計に余裕がなく、将来の収入の見込みが不安定
主流派経済学は考え方が北風のように、太陽とは真逆なのだ。かつてケインズはこう言った。
経済はモラルサイエンスである
つまり、道徳的視点で経済を考察する必要があると言っていたのだ。一部財政学者が消費税で公平に痛みの分かち合い等と言っているが、それで貧困が増え、企業が淘汰されれば、これほど不道徳なものはないだろう。
彼らは偽善的な言動をしつつ、北風政策を推しているのだ。そこに道徳はない。