経済同好会新聞 第250号 「三流政治家による統治」
三流政治家による統治
消費税は社会保障として機能していない
未だ貧困層が増える日本。これは誰でも分かることだと思うが、消費税は全国民一律に課税されれば、貧困層や困窮者に対して重くのしかかる。社会保障の充実と言いながら増税してしまえば、弱者の負担が相当重くなる。
社会には貧困層から富裕層に至るまで存在しており、仮に日本が均衡財政を採用している場合、お金を多く持つ人への課税を大きくしなければ社会保障は成り立たない。消費税が社会保障を受ける弱者からも取るというのは、明らかに矛盾しているではないか。しかし、日本はまさにこの状況が数十年単位で続いているのだから、政治家を選ぶことは非常に重要な時代である。
仮に消費税を廃止したとすると、税率分の負担は緩和される。それでもなお、困窮者や貧困層が大きく減らない場合は、政府の支出先に偏りがあるという証左だ。そもそも、日本は通貨発行権を有しており、わざわざ均衡財政をしなくても良く、貧困層から税を徴収する必要がない。
景気が良い状況とは
多くの貧困層が中間層になった際、日本はどのような状態だろうか。まず、労働者は非正規社員よりも正社員として雇用する企業が多く、派遣企業の需要がほぼなくなっているだろう。経済成長の軌道に乗った企業の動きは、給料を多く出してでも人材確保に勤しみ、人材流出を防ごうとする。これは好景気だった頃の日本の姿だ。
近年は一部の企業で「利益」を出しているが、低賃金労働者を雇用しているため、経済成長に貢献していない。政策自体が資本家を潤すような構造に変えられており、労働者を守る気運はバブル崩壊以降、次第に消えていったのだ。
資本家がチヤホヤされているところを見れば、自民党がいかに利益を出して株主に配当するかに力を入れてきたかが窺がえる。生産は経営者と労働者がいて成り立つのであり、資本家が財やサービスを直接生みだしているわけではない。
論理的に考えてみれば分かる通り、国民が豊かになれば結果として経済成長につながる。言い換えれば国家の繁栄は一人一人が余裕を持ってお金を使える状態だ。富むものは富む。近年は投資家が富んでいるではないか。富むことが悪なのではなく、低賃金で働かせて得た利益で富むことに罪悪を感じない者は悪である。
後手後手さ
この数十年、日本経済の停滞は、貧困層が増加すると同時に、非正規労働者も増えた。国家公務員もそうだが、総体的に公務員の数も減り、公共事業にかける支出も減っていった。各分野への支出に然りである。どうなったか。この有事でマンパワーの足りなさが浮き彫りになった。本来、削ってはいけないものは無駄の削減等と言って削ってはいけなかったのだ。
恐ろしい愚は、中抜きありきの支出をし、肝心な救済や安全確保のための支出が少ないことだ。この混乱期に乗じて、中小企業改革を着手、売国法案を通すことは先手先手なのだから始末に負えない。
腐敗した政府は、何を優先し何を守るべきかを判別できないのだ。犠牲を強いることを是としている人間が善意を装い、利権獲得政治をしていると言うべきか。見よ、陳腐で安い精神論で誤魔化しているではないか。この醜悪さよ。