「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第278号 「日本 管理通貨制教えず」

日本 管理通貨制教えず

日本 管理通貨制教えず

日本 管理通貨制教えず

税は経済の調整弁、財源にあらず

 思考実験をしてみよう。政府が無制限にお金を発行したとして、税を徴収しないとどうなるか。消費者側である需要が膨大になり、生産側である供給が追いつかなくなる現象が起こる。物が行き渡らなくなり、価格が高騰するのだ。コロナ禍において一時期マスクが高騰すると思われたが、供給が追い付くようになったために平常通りの価格に戻った。
 さて、管理通貨制における財政は、収支に関わらず支出が可能だ。いわゆる国の借金はどうなのかと言えば、政府が支出したお金の残高を記録している程度の意味合いでしかない。
 毎年のように「クニノシャッキーン!」と大騒ぎするのは何故かと言えば、財務省が国家財政を家計に例えているためである。これは金本位制の名残りであり、税が財源の発想になってしまう。実際に財務省は税金を払うことに大きな価値観を置くような啓蒙をしているため、弱者に対しても課税と徴税に容赦がない。
半ば洗脳に等しいのである。ここに経済的弱者のことは一切考慮されていないことは明白だ。
 管理通貨制において税金が財源ではないのであれば、役目として残るものは「経済の調整弁」ということである。これは貧困格差是正を果たす意味でもあり、富を偏らせない仕組みでもある。ところが、貧困格差拡大が止まらないのだ。なぜか。それは税制を株主に優遇されるように改革したからである。具体的には、法人税率の引き下げだが、これは株主を利し、配当金が飛躍的に増えていることからも明白だ。その一方で労働者の賃金は据え置き、或いは下落している。経済の停滞は需要側である、消費者の賃金が低いことも大いに関係しているのだ。

 

精神論好きな現実逃避者

 税金も支払えないほどの貧困層に対し、自己責任や努力不足だと言う人が現れてしまうのは、前述したように税金に対する価値観に支配されているからだ。みんな努力して支払っているのだから、当たり前のことはすべきだ!そこから外れる者は非常識であり、普段から努力や情報収集を怠ってきたからだ!という具合。弱者には色々な原因があって弱者になってしまったのであり、自らが弱者と同じ立場、かつ、同じ環境下で上手くいくとは限らない。
 精神論は経験則や悟った人の論理であり、みんながみんなその通りあとなぜ出来るわけではない。であるため、この世は不確実性に満ちているというのだ。この不確実性を認めることからはじめなければ、簡単に無駄の削減やら、痛みの分かち合い等と弱者に厳しい考えなしのことをやりはじめるのだ。
 弱者はなぜ、弱者足り得のだろうか?こう考えれば進歩できる。この疑問は当事者意識の発露である。決して努力不足ではないことが明らかになるだろう。精神論や根性論で相手を引き上げようとしても、ついていけないだけの理由があるのだ 。
 弱者を十把一絡げに切り捨てる者は、弱者がおかれる環境を直視できないため、「努力不足!」と言い、自ら溜飲を下げて満足するのである。現実逃避だ。
 経済政策の誤りで貧困層になった人達。規制緩和非正規労働者としてやむなく働くしかない人達を増やしたのは、歴代政府の誤った政策が原因である。労働者の努力不足ではなく、政治がはしごを外したのだ。いい加減に多数の国民を見よ!