「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第301号 「不況時は税収が落ちる」

不況時は税収が落ちる

不況時は税収が落ちる

不況時は税収が落ちる

経済音痴か?否、意図的だ

 失われた二十年から既に五年ほど経過し、未だに経済はデフレと停滞。これだけでも異常な上に、昨年のコロナウイルス到来で実体経済は更に悪化した。不況時は減税や財政出動でテコ入れすることは経済の基本であるため、昨年の我が国の税収が増えたことは相当な異常事態だと認識せねばならない。減税すれば税収は減るが、それで救われる人が多くいるため、それでいいのだ。だが、税収が増えたということは、減税措置もなし、消費税率10%に引き上げられた賜物である。それだけ困窮者が出ている、生活の質を落とすことを余儀なくされた人達が出ているということだ。
 この不況時に税収が増えて喜んでいる者は、財務省くらいだろう。なぜか。借款できるお金が増えたからである。更に、不況と停滞で恩恵を受けているのはインフレを避けたい富裕層だ。お金は高い所から下へ落ちて来る「トリクルダウン」は全否定されてもなお、経済政策は一向に改められない。そのため、我が国は貧困格差拡大が続いている。
 トリクルダウンは失敗であることが証明されている以上、財政政策は格差是正と弱者救済に力を入れるべきだ。当然のことながら、安全保障、社会保障や各種インフラの強化と維持は必須である。加えて、この数十年の傾いた経済の建て直しとして、景気動向の調整に全力を上げるべきだ。全て喫緊の課題である。

 

順序が逆

 論理的思考の出来ない者はたびたび問題を起こすが、政府がそうであるとするとどうなるか。不況時に税収が増えて喜んだり、困窮者が出ても財政健全化やらプライマリーバランス黒字化(PB黒字化)を掲げ、課税で苦しめることが実際に起き続ける。好景気で税収が増えることが本来の姿であり、不況時で税収が増えることは理不尽だ。
 おぞましい顔をしてPB黒字化凍結等と言ってのける議員は到底許しがたく、例えるなら、泥棒することを凍結するとは泥棒に対する妥協と譲歩そのものであり、いい加減にしろと怒るだろう。凍結ではなく撤廃がスタートラインである。
 税収は経済の状況によって変化するものであり、順序として、景気が良くなり税収が増え、借款に使われる。わざわざPB黒字化という制約を設け、強制的な徴税をする必要はない。インフレ率の話もそうであるが、経済成長と貧困格差が改善された上でインフレは結果として出るものであり、格差拡大が改善されずインフレ率の目標が達成されたとすれば、それは個別事象を蔑にした結果である。
 ワーキングプアの問題が解消された結果、インフレになることは想像に難くないだろう。このように順序は実体のある国民生活の水準であり、その結果としてインフレ率が統計として表れる。結果ありきではいけないとされるのはどこの分野も同じはずで、目的達成のために手段を間違えてはならないのである。経済は人の営みであり、不確実性そのものだ。どうしてインフレ率の上限を2%と決められようか。
 一億総中流の状態、かつ、インフレ率2%に定めることは百歩譲って良いのかもしれないが、不確実性を是としている者が上限を定めることは矛盾でしかない。統計は結果であり、目指すべきものではないからだ。観察すべきは実物資源であって、国民生活の水準だ。
 まずは緊縮財政を自粛せよ。