「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第322号 「家計と財政は異なる③」

家計と財政は異なる③

家計と財政は異なる③

家計と財政は異なる③

管理通貨制度における予算制約

 前回は、国の借金は国民が背負う代物ではないこと、その理由に我が国は管理通貨制度であることを述べた。そうなると、これまで言われてきたことは一体なんだったのだろうかと思うだろう。災害の復興やこのコロナ禍で財源の議論をすることが、いかに愚かしいことか理解できるというもの。
 我が国は管理通貨制度、あるいは、通貨主権があることや財政破綻しないことを知る政治家はいる。声に出して言わない政治家も含めれば、年々増えているだろう。官僚も一般人に然り。政治家が政治で出来ることが多くなる、即ち、国民の安全や安定的生活に寄与することが可能なのだ。これまでのように、予算はあっちへ出すがこっちは削るといったようなことをせずとも、全てに支出できるようになる。
 ここまで見て行くと、政府には予算制約がないのではと思えるだろう。実際に金本位制(税財源)の時代は税収の範囲内という制約はあったが、管理通貨制度には制約がなく、財政を運営する上で自由度が飛躍的に高くなっている。ただし、無尽蔵にお金を発行することで混乱が起きてはいけない。例えば、消費者である需要が供給を大幅に上回るようなこと、物が行き渡らなくなる現象は避けなければならない。更に、資源を浪費し過ぎてしまうことにも注意を払わなければならず、このような実物資源が予算の制約になる。

 

改革で衰退したニッポン

 管理通貨制度であることは理解できた。ところが、我が国は進んで財政を均衡させようとする。財政規律だ。この他にも、プライマリーバランス基礎的財政収支)の黒字化を試みており、これらは全て財政法が絡んでいる。小泉政権期に設けたプライマリーバランス黒字化目標以前は、財政法があろうと税収以上に予算を出していた。バブル崩壊以前の好景気はそのおかげだ。現在も税収以上の支出がなされているが、経済は停滞したままだ。なぜか。法人税減税と消費税増税が関係してくるからだ。
 ここから見えて来ることは、国会で予算を決定する際、税収以上に支出することは政治の判断で可能だということ。法人税率や消費税いかんで、バブル崩壊以前の景気が良かった頃の日本を取り戻せるところだ。
 我が国は管理通貨制度である以上、財政法の縛りやプライマリーバランス黒字化目標は破棄すべき代物であることは自明である。財政規律を律儀に守った結果どうなった。これに加えて税制を改悪した結果、富む者は富み、低所得層が増えてしまったのである。  財政規律で予算を制限し、法人税率等の税制改革でお金の流れを株主に配当される仕組みになっているため、改革だ!改革だ!と言う政治家や政党は、意図してか意図せずか定かではないが、日本を衰退に導いていると言っても過言ではない。  管理通貨制度を理解すると、政府はお金の発行者であって、国民はお金の利用者であることは容易に腑に落ち、いわゆる国の借金がデマに溢れていることも理解できる。
 管理通貨制度は、人も文化も資源も技術も、外資やビジネスに依存することなく、政府はこれらを守る術があることを意味している。したがって、「民営化」や「改革」と言う政治家や政党は、国家も国民もを守らないと言っているに等しい。財政健全化に然りである。
(了)