「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第333号 「本末転倒な日本の政治」

本末転倒な日本の政治

本末転倒な日本の政治

本末転倒な日本の政治

国民・国家は財政規律に負けた

 地方の衰退、出生数は戦後最悪、科学や教育の凋落等、我が国の劣化ぶりが激しい。日本の子供は7人に1人が貧困、それはそのまま親の所得の低さ故だ。国家に血が流れているとするならば、財政規律という財政赤字の数字を並べ立て、血の通わない政策をやめようとしない。この政策とは、資本家優遇である。消費税増税は消費を抑制し、法人税減税は労働者への分配が適切になされなくなる。その一方である大企業が利益を生み出しているということは、非正規雇用でコスト削減しているからである。株主配当が増えるのも、これがあるからだ。このような血の通わない経営がなされるのも、政策立案者やそれを決定する政治家に血が通っていないからである。
 国家に血を通わせる場合は、前述したことを修正すればいい。消費税は廃止、法人税増税するのだ。労働法も昭和時代に戻すことも考えなければならない。労働者から中抜きする派遣企業の存在は、それだけ労働者の所得が減るということであり、このような「人の所得を掠める取る仕事」は異常だ。労働対価はきちんと支払われるべきだ。つまり、政府の赤字は国民・国家のために支出されるべきであり、「一部の者のみ潤う」政策は国家観・人間観共に欠如しており恥ずべき行為である。財政規律だなんだと言いながら、血の通わない政策しか出来ない政治家は害悪でしかない。

 

子供を育てるように、国家を育てる

 子供を育てるには、厳し過ぎても甘やかし過ぎてもいけない。これは状況に応じて「ええ塩梅」というものがあることを意味する。褒めるところは褒め、ダメなことには正しく叱る。愛情の注ぎ方にも要が必要だ。親が子供に論理の欠片もない感情を振りかざした怒りをぶつけたり、子供に教えたことを親が守らない二重基準は子供にとって理不尽だ。
 さて、我が国の政府は低所得層に厳しく、高所得層には甘い。これは国民にとって応能負担の観点からも理不尽であり、地方の衰退と貧困・格差拡大がその証左だ。財政規律重視、資本家優遇が国家に理不尽を与えている元凶である。かつて、イギリスの哲学者ジェレミ・ベンサムはこのように述べている。

 

 あらゆる政治社会における統治の正当な目的は、社会を構成するすべての個人の最大幸福、換言すれば、最大多数の最大幸福である。

 

 国民に何もかも至れり尽くせりしろと言っているのではない。政治は国民の「最大多数の最大幸福」になるよう、誘導していくことが重要なのである。全国民に教育を受けられる土台、各種インフラを将来世代に渡って永続的に享受できる土台安全や健康でいられる土台等、政治家は財政規律よりも最重視しなければならない「基本」はたくさんあるのだ。したがって、財政赤字をいかに減らすかという議論ではなく、「土台」を育む視点を養うことが重要だ。
 財政規律は未来の展望を曇らせ、常に目先の政策しか描けない。政府がそうであるなら、民間企業もそうなっている。加えて、常に何か起こってから対処する後手後手に回ることばかりだ。これでは子供も国家も育つわけがなかろう。かつてレオナルド・ダ・ビンチはこう述べている。

 

 若き日に得た学びは、老年の悪徳を阻 むのである