「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第341号 「生かさず殺さず」

生かさず殺さず

生かさず殺さず

生かさず殺さず

意図せず弱者を見殺す人達

 百円で買えたものが百十円になってしまった時代。消費税率10%は、低所得層にとっては厳しいものだ。消費税は「広く薄く取る」という言説もあるが、累進性のない消費税が理由で自殺者を出したならば、これほど本末転倒で冷酷なことはないだろう。経団連は消費税の増税を提言しているのであるから、どういう団体であるか推して知るべしである。
 当新聞では、消費税は悪税であるとさんざん述べて来たが、弱者に厳しいこの税金が抱える大矛盾にはだんまりを決め込む人達がいる。なぜか。法人税増税は株主にとって配当金が減る事を意味する。労働者が生産活動を行い、国民生活に必要なサービスを提供して社会を支えている。給与所得や技術開発等も生産活動に付帯している。現状、法人税減税で自国生産活動に投資がなされる構造になっておらず、待遇面では不安定雇用、低賃金、長時間労働、手当削減…
 生産では半導体に然り、他国に依存する形になっており、給湯器やPC関係、車やバイク等、電子機器が使われているモノが品薄…という状況が跋扈している。
 労働者は消費者であり、コストカットで給与所得も削減され、更に消費税が増税される。給与所得が減り、多種多様な増税で実質賃金が減る。繰り返すが、コストカットで喜ぶのは株主である。この構造で消費が増えようはずもない。生産活動への投資、分配構造を取り戻し、負担軽減や雇用が保障される事で、ワーキングプアを減らす事が可能になるだろう。成功例は昭和の日本である。内需大国でえある我が国、中小企業の繁栄はここにあったのだ。

 

法人税の長所と短所

 法人税の長所は、労働者と株主よって異なる。我が国が繁栄していた頃というのは、法人税率が高かった。以前も当新聞で取り上げているが(第279号)、もう一度見て見よう。

 

 ①配当金は利益から支払われる
 ②賃金は経費から支払われる

 

 法人税率が高い場合、企業は節税のために、お金を労働者や設備投資へ配分するようになる。長所は労働者や企業の強化につながること。
 一方で法人税率が低い場合、企業は利益を優先するようになる。これがコストカット(新聞第339号)につながり、株主にとっての長所になる 我が国はずっとこれをやっているのだ。労働者の賃金を上げるためには、法人税率を下げることをしてはならないのである。やるべきことは累進課税の強化であり、所得税法人税によって行われなければならない。格差の是正を果たそうとするならば、この両者は必須である。
 さて、我が国の現状は次の通りだ。

 

・消費税で消費を抑制させている。
法人税減税で労働者の所得を抑制させている。
・各種保険料の負担から消費を抑制させている。

 

 日本の没落は、思想の劣化もさることながら、このように不平等な政策によって起きているのである。法人税の短所を負わされた労働者にとって、まさに冬の時代である。働き方改革の前にやる肝心なことがあるだろう。

 

 

ツェリ子様
法人税と分配