「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第342号 「無限と有限の狭間」

無限と有限の狭間

無限と有限の狭間

無限と有限の狭間

低きに流れる財政破綻論者たち

 我が国は英米と同じくする管理通貨制度、税を財源としない国家だ。税金は格差是正等のためになくすることは出来ないが、管理通貨制度の利点を一切生かさず、むしろ格差拡大させている我が国の政府は、税を財源とする金本位制であったとしても、無能だと評さねばならない。
 管理通貨制度の場合、理屈ではお金を無限に発行できる。ただし、やたらと発行したところで現実には限界というものがあり、制約をかける必要がある。これは何度も述べて来た通り、実物資源が制約になる。つまり、お金は無限に発行できるが、実体のある物は有限であるため、制約が必要だということだ。これを人間に例えてみよう。人は思考する分には無限の想像は出来るが、それを実行・実践できるかというと有限である以上、優先的にやることを選択して行動するだろう。管理通貨制度とは、人間そのものである。これをイメージ出来れば、何を優先し、何を守るべきかは自ずと理解でき、後は実行に移すだけだ。しかし、財政破綻論者は、この機会をことごとく奪っている。特定のビジネスを優先させ、大多数の国民を蔑にしてきたツケが、貧困・格差拡大を生んだのである。彼らは我が国が衰退していようと、財政健全化と言っていた方が支持を得られるため、国家を背負うことなく低きに流れたのである。

 

積極財政を  「利用する人」

 管理通貨制度を知る人達は、積極財政を唱える政治家や企業人は貴重に思えるだろう。竹中平蔵氏は均衡財政は誤りであったと地上波のテレビ番組で述べたことは記憶に新しいが、彼が積極財政を採用したとして、労働者の賃金上昇に貢献すると思えるだろうか。彼は派遣企業パソナの会長であるが、ワーキンプアの原因ともなる、「雇用の流動」として大手企業等に重宝される派遣企業を存在させたまま、いかにして賃金上昇を見込めるのであろうか。答えは、「今までと変わらず賃金の上昇は見込めない」だ。
 更に、前号では法人税について触れているが、法人税増税をせず積極財政をしたところで、結果は「今までと変わらず賃金の上昇はしない」である。なぜか。改悪された構造を是正しないためだ。したがって、女性、高齢者、移民という低賃金労働者は増加し続け、賃下げ圧力の上昇が予想される。この予想はこれまで辿った我が国のあり様をただ述べたに過ぎない。構造が改悪されたままであれば、変わりようがない。むしろ、この上で積極財政に舵を切れば、更に貧富の差は広まるだろう。「富む者は更に富む構造」が強化され、格差拡大が更に広がる。

 社会保障も安全保障も変わらず、ことある毎に負担させることをしてくるに違いない。これまでのように。
 このような状況であっても、自公明与党は「賃上げ優遇税制」という、法人税減税で株主優遇政策を強化しようとしているではないか。法人税増税は労働者への分配を促すが、法人税減税はコストカットを促す。これも我が国が辿ってきたことだ。数十年も同じことをやって学習能力がないのか、否、意図的である。したがって、積極財政はこのような狡猾な政策立案者によって、利用されることは容易に予測できる。資本家の要望に応えるためであれば、大多数の国民に負担させようが、国家が没落しようが、言葉で誤魔化せば済むと高をくくっている連中だ。また騙されるのか。