経済同好会新聞 第354号 「放漫財政の根拠とは」
放漫財政の根拠とは
懲りないメディア人達
いわゆる国の借金は一人あたり〇百万円。これは政府が貨幣を発行した残高のことだが、この残高の数字だけを見て「放漫財政」と毎年懲りもせずメディアは垂れ流す。我が国はこの三十年ほど、なぜ経済成長せず国民が貧困化し、格差拡大が続いているのかをジャーナリストとして取材せず、その力を全く発揮していない不思議さ。新成人が社会に出て、右も左も分からない状況とは全く異なり、ジャーナリストのプロがそれぞれのメディアに存在していてこのあり様だ。この場合、自称ジャーナリストは除く。
さて、放漫財政が真実であれば、経済はどうなるのだろうか。それは、高インフレーション(高インフレ)という現象が起こる。我が国のメディアはこの数十年、毎年のように放漫財政と報じてきたが、実際には高インフレは一切起きておらず、デマの類であると見做しても良い。これはMMT派であろうと主流派経済学であろうと同意するところだろう。このレベルのものを我が国のメディアは、基礎も知らず垂れ流しているのである。
高インフレは物価の上昇を伴うが、この数十年単位でそれもない。放漫財政の根拠を政府の債務残高(いわゆる国の借金)で見てしまうと、現実である経済の実態からはとんでもなくかい離してしまうのだ。これで分析など出来るはずもなく、故に、毎年同じことを言い続けるしか能がない。マーク・トウェイン曰く、
「まず事実をつかめ、それから思うままに曲解せよ」
更に
「新聞の中で、唯一信頼できる事実が書かれているのは、広告である」
この皮肉は決して的外れではなく、我が国でも「マスゴミ」と揶揄する人達もいるほどだ。その揶揄する人達が「マスゴミ」の放漫財政の言に騙されるのだから、洗脳さながらのプロパガンダは功を奏している。
賢くない支出
まず、無駄、且つ、害悪な支出というものがある。それはパソナや電通へ中抜きさせるための支出で、オリンピックでそれが発覚した。つい最近では18歳以下のクーポン導入で経費が900億円に増えた事案もそうだ。このような本末転倒で理不尽な支出は、「中抜きビジネス屋」に忖度したものであって、この者達をのさばらせる原因となるため害悪でしかない。給付は本質的に救済措置であり、なぜ間に営利企業をかませるのか。
我が国の深刻さは、これら賢くない支出の他、 賢くない不支出もある。それは前号でも述べた通り、国家の永続性に関わることへの投資を蔑にしているところだ。賢くない支出と賢くない不支出の二重の「賢くない」ことをやっているのである。そうさせているのは、メディアのデマである「放漫財政」も原因であることは論をまたない。
さて、政治家は賢い支出と言うが、中抜きのための支出は賢い支出であると認識しているのであろうか。この支出は救済のため必要な経費でしたと堂々と人前で言えるか自問して見れば良い。壁の向こう側で決定された政策だからこそ、後ろめたさは付きまとうであろう。この腐敗に対して経済クラスタ曰く、
賢い支出等と言い、賢くない支出を繰り返す者こそ今すぐ政治の表舞台から退場すべきなのだ!