「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第385号 「日本凋落のサイン」

日本凋落のサイン

日本凋落のサイン

日本凋落のサイン

研究されていた日本の好景気

 1980年代の後半、我が国は飛ぶ鳥落とす勢いで経済成長を遂げていた。世界中のマーケットを取るのではないかと評されていたほどで、アメリカの社会学者であるエズラ・ヴォーゲルは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という書籍を出版したほどに、我が国の影響力はアメリカとの立場を逆転させていた。アメリカは危機を抱き、我が国がどうのようにしてこれほど強烈な成長を続けているのか研究したのである。
 アメリカは市場競争を是としており、それが公正であるとしていたため、我が国の政府が完全な市場競争をしていない、これを指してルール違反だと後に圧力をかけることになる。つまり、政府が市場に介入することで経済成長していた我が国が脅威になったのだ。冷戦後はソ連よりも我が国が敵になると見定め、官民一体の産業政策や、日本型の集団主義を解体させることに向かったのである。
 企業が株式市場で資金を調達せず、市中銀行(メインバンク)から借金する行為もルール違反だとして圧力をかけている。これらは日米構造協議によって、市場競争になるよう構造を変更するようにアメリカが我が国に圧力をかけたのだ。後に「構造改革」と呼ばれ、小泉政権竹中平蔵氏が旗を振り、進めていったものになる。
 当然のことながら、これらはアメリカが主導権を握った上での話であり、それを遂行したのが小泉政権である。メディアも小泉フィーバーとばかりに持ち上げた「構造改革」が日本の凋落を本格的にした。

 

規制緩和馬鹿

 アメリカの要求で日本を市場競争にするため、構造改革という流れであったが、この中で規制緩和という言葉も出てくるようになる。これらはメディアによって広まっていき、ソ連の崩壊も手伝って、社会主義は悪という風潮から、国主導ではなく民間主導にすべきだとする風潮になっていたのだ。これは完全なる倒錯である。我が国は修正資本主義の道を歩んでいたのであり、社会主義でも何でもない。
 前述したが、アメリカは市場競争を是としていたのであって、格差拡大の酷い国であることも理解しておかねばならない。我が国からアメリカへ留学し、後に「経済学者」の肩書を持つようになった大学教授らは、当時のアメリカ経済を学んでいるのである。
 彼らもアメリカ政府同様に、我が国を市場競争にしようとしてきたことは、むべなるかな。このようにして我が国は市場原理主義の思想に汚染されていったのである。教育まで金儲けの手段とするほど腐敗しているではないか。
 アメリカで教える経済学は非常に分かりやすいと聞く。分かりやすいとは、システムだっており吸収しやすくなっているという具合。諸外国からアメリカへ経済を学びに行けば、卒業した頃には市場原理主義者が量産される次第である。竹中平蔵氏もその典型だ。 しかし、この十数年でアメリカのエコノミニストは考えを改めてきており、必ずしも市場原理が正しいとはしていない。
 昔は経済学といえば、色々な学派があり学生たちの間で喧々諤々議論が絶えなかった。ところがソ連崩壊から市場原理主義に傾いていき、経済学は「教科書化」していった。構造改革規制緩和と言っている者達は、日本経済を凋落に手を貸しているようなものだ。