経済同好会新聞 第387号 「構造改革は地獄への道」
構造改革は地獄への道
騙すことに罪悪を感じない人がいる事実
前号に引き続き、構造改革の問題を取り上げていこう。物やサービスが市場で売られる時、その前段階で生産する必要がある。生産には必要な要素というものがあり、その要素とは主要なこととして労働・土地・資本がある。これらが組み合わさり、物やサービスが誕生し市場で売られる。我が国が修正資本主義の道を歩み景気が良かった頃というのは、企業は利益も出たが労働者もそれなりに潤った。ところが、小泉政権期から本格化しはじめた市場競争では、利益が上がらなくなった。当然のことながら価格も下がる。売らなければ倒産するのだ。
このような状況に来て、グローバル化によって中国と価格競争が起きた。どうなったかは想像に難くないだろう。価格が下がるということはどこかでしわ寄せが来ているということに他ならず、労働者がそうだ。淘汰された企業も出ている。安価なモノを輸入すること、低賃金労働者を雇用することでコストを下げざるを得ない状況に陥っているのが我が国の惨状であり泥沼化だ。
驚くべきことに、SNSではこれらを当たり前のように正しいとする愚か者がいるため、リアルでどのような生活を営み、どのような言葉を扱うか見てみたいものだ。人間社会を何も分かっていない。
自由化の弊害
労働市場の自由化によって起きることは、優秀な労働者だけを雇用し(能力主義)、それ以外は切るという発想になる。そうなると、能力ある者は抱え、後は派遣労働者やアルバイトで賄えば済む。これがワーキングプアを量産していき、賃金を下落させてきたのだ。労働市場の自由化と引き換えに、労働の不安定をもたらしたのである。労働者は消費者でもあることから、生活の不安定にもつながっているのだ。
政治家にも経団連にも経済同友会や連合にも必ず通ってきた道がある。それは右肩上がりに賃金が上昇していった恩恵だ。彼らは将来の計画を立てられたはずであり、その彼らが日本経済の浮上を邪魔している。賃金が上がらない、或いは下がった国民に将来設計等できようはずもなく、負担ばかり大きくなっている。これは恩知らずと言っても過言ではない。自分は恩恵に授かるが、他人のことは知らないという具合である。この数十年で転換の余地はいくらでもあったにも関わらずである。
市場競争の弊害は、労働者にしわ寄せが行き、生活の質を下げることになるところ。そして、競争によって「なりふり構わない」経営者や資本家が出てしまうところもそうだ。儲かるところに資本が集まり、それ以外は自由化の恩恵を受けない。このようにして所得も土地も格差が開き、他は淘汰される憂き目に遭う。
多くの人はその土地に住みそこで働き、子供は教育を受け、大人になっていく。病気や怪我をすれば地元の病院に行く。そして、地元で一生を終える。人間社会を安定させるには、市場競争のような市場原理主義やグローバル化は全く馴染まない。水道民営化等は構造改革の弊害であり、生活必需品を営利化させるとは生活の不安定化だ。
金儲けに偏れば人々の生活を無視し人の心を忘れ、自分さえ良ければそれでいいとなる。このような片手落ちになる人は経営者にも学者にも政治家にも向いていない。むしろ害悪である。自由化とは金儲けをしたい者達の方便でしかない。
大山落様
知床遊覧船の沈没事故について
(有)知床遊覧船の沈没事故で代表者の桂田精一のコンサルティングをしていた経営コンサルタントの小山昇について関心が高まっているようなので、割と詳しい私が小山昇と小山が経営する株式会社武蔵野について語ろうと思います。#知床遊覧船 #浸水事故 #桂田精一 #小山昇
— 大山落 (@ooyamaotita) April 26, 2022