「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第431号 「愚者は赤字を嫌う」

愚者は赤字を嫌う

愚者は赤字を嫌う

愚者は赤字を嫌う

財政赤字以上の収穫を得よ

 人間は赤ちゃんから大人になる過程において、様々な経験をする。いきなり大人になるわけではないことは誰しも理解するところであり、それは供給力である企業や人材に然りだ。無論、ここには人材育成や設備投資が含まれている。ところが、無駄の削減だ!と言いながら育むことをやめ、既に出来上がった製品を求めるようになるとどうなるか。産業の空洞化が起こる。我が国は既にこの状況だ。
 プライマリーバランス黒字化目標をかかげ財政赤字を気にするあまり、「育むこと」を横着してきた我が国は、当然のことながら没落の道を進んだ。現在進行形である。多方面で衰退が見られ、SNSでも当事者達が懸念を表明している。これは今にはじまったことではない。
 人は育みがあって一人前になることを考えれば、企業も公も国家とて同じだ。これは実力が出やすい状況とも言え、経済成長に欠かせない大きな要素だろう。つまり、財政赤字は育むことを永続化することを目標に据えることで、財政赤字は自然税収によって減るだろう。しかし、この数十年のように財政赤字を気にしてばかりいたため、供給力と共に需要も縮んでいった。このような状態で無理矢理に税金の負担を増やしてまでプライマリーバランス黒字化目標を達成させようとすると、当然のことながら更に供給力も需要も縮んでいく。加えて、人口減少も起きるため、移民を増やそうと本末転倒な話になるのだ。
 育みにはお金はかかる。だが、後の収穫が大きくなることを考えると、財政赤字は悪いことではない。これは国家への投資なのだ。

 

イソップ寓話の「北風と太陽」

 量的緩和やマイナス金利政策をやってはいるが、経済はなかなか浮上しない。何が邪魔をしているかと言えば、プライマリーバランス黒字化目標である。なぜか。金融政策で結果が出なければ、やることは財政政策以外にないからだ。財政赤字を気にするあまり財政政策をやらないため、育みは毀損され潜在的な需要も供給も破壊したのである。
 北風と太陽の話で言えば、日本政府は北風ばかりをやっている。これは強制的な徴税を意味する。一方で政府が太陽であればどうか。国民のパフォーマンスが上がるため、税収は自然に増える。いい加減、基本に立ち返ってはどうか。
 プライマリーバランス黒字化目標が目的化すれば、北風政策にもなろう。人間として北風政策をすることに一抹の罪悪感もないのだろうか。強制的徴税で人が苦しんだり耐え忍ぶことに思いを馳せられないほど、我が国の教育水準は低いのか。本当にどうかしている。
 これは経済学や政治以前の話であり、根本的な前提が破綻しているかどうかの極めて当たり前の話なのだ。人は頭デッカチになって初心を忘れてしまうと、純粋さを喪失してしまう。当然のことが当然のこととして見れなくなる恐ろしさがあるのだ。この恐ろしさは国民の生命より財政規律を選択する政治家や財務官僚を見れば分かる通り。

 財政規律で人が死んでいれば世話がない。こうなっても政治家も財務官僚も責任をとるわけではないのだから、一向に人の痛みを感じることはない。間接的なサイコパスを生み出しているとも言え、北風政策は止まることはない。

 庶民の声を直に聞け。歩いて回れ。基礎中の基礎をやってこそ政治だ。