「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第483号 「デフレ不況なる言葉」

デフレ不況なる言葉

デフレ不況なる言葉

デフレ不況なる言葉

よくよく考えた方が良いこと

 統計でインフレを示しながらも、不況を呈していれば悪性のインフレと呼ぶだろう。スタグフレーションなんかもそうだ。ところが、「デフレ不況」という言葉が一人歩きしている感が否めない。デフレ不況という言葉を借りれば、インフレ時で不況であれば「インフレ不況」と呼ぶべきだが、このような言葉は存在していない。しかし、インフレであろうとデフレであろうと不況になることを考えると、デフレ不況という言葉のみ存在するのはそもそもおかしい。この言葉から発想するのは、

 

 インフレ=好況

 

 である。デフレ不況と対になる概念を無意識に考えてしまうからだ。事実、筆者もインフレは良いことだと思っていた時期があり、経済成長に欠かせない要素だと思っていた。そのような言説を見受けられる人達もおり、筆者と同様に錯誤していることに気付いたのだ。
 インフレの種類と言うべきか、労働者の所得が物価より先んじて上昇するのはデマンドプルインフレ。これは経済成長していた時の状況がそうだった。そして、この逆は物価が上昇し所得が上がらないか遅れて上がるのであればコストプッシュインフレ。状況によってそれぞれ異なるが、インフレであることは事実だ。

 

インフレと賃金

 例えば、インフレ率2%を目標にしたとする。その際、賃金がこのインフレ率と同じほど上げても、インフレした分に吸収されてしまうため、生活が豊かになることはない。停滞を意味する。これと同様にインフレ率2%の際、名目GDPが2%に増加してもゼロ成長となる。これを踏まえ、時の政権がインフレ率2%を達成したことで成果を出したとアナウンスするとどうだろう。そんな馬鹿な!と言わなければならない。が、インフレ率を目標にするとはそういうことだ。
 更に、物価上昇すると賃金上昇が伴うと錯覚させられて来た人達もおり、現況を見ればどうなったかは一目瞭然だろう。これまでの経済政策の目標、即ち、目標の定め方に恣意性はないか疑問に思った方が良いのではないか。インフレターゲットにしろ、賃金上昇が叶わない目標はおかしい。条件として次の全てが実現されていることが好ましい。

 

 ・賃金上昇
 ・インフレさせない
 ・完全雇用

 

 これは経済を好循環させるための条件として、政策の目標に据えてもらいたい。インフレを抑えるためには、有効需要が働く税制であること。これは経済の自動調整機能を働かせるものに等しい。そして、災害や外国要因で経済のダメージを受けることを考慮し、余剰を増やすことも必要になってくる。冗長性を持たさないと、問題が起きた時に長引いてしまう。
 これらのことを考えれば、我が国は労働の規制緩和法人税の減税をしてはならなかった。これらは分配機能を意図的に破壊しているとしか説明できず、経済の悪化と停滞を実現させている。消費税もそうだが、これら全てがツケとして重くのしかかっているのが実態だ。社会保険料も馬鹿にならず、国民にお金を使わせない政策ばかりではないか。
 補助金等を出して特定企業にお金が流れるように仕向けたり、政府はやりたい放題。賃上げは企業任せで制度を改善しようとしない。お察しだ。