政府の黒字は国民の赤字
財政健全化の詭弁で国民国家大毀損
ワーキングプアが代表されるように、貧困層が増えた日本。貧困は精神を蝕み、ある人は自殺し、ある人は自暴自棄になり殺人を犯す。ある人は詐欺でお金を稼ごうとする。彼らは生活するだけで余裕がなく、いつか今より給料が増えるかと期待しながら働いている人も少なくないだろう。
しかし、大手企業トヨタをもってしても終身雇用が出来ないと匙を投げるということは、末端の給料が増えるとは到底考えられない。
効率化が叫ばれる昨今、「無駄を削減」「効率化のために削減」としてきた結果、大手企業はこの数十年の間で幾度も大量リストラを断行しており、下請け企業にも負担を背負わせてきた。大手企業のみならず、このような業績不振は中小零細企業も同様で、なぜ、企業達は「削減」をしているかは掲載のグラフがよく示している。
政府支出と給与の関係
グラフは政府支出と平均給与がほぼ同じ推移を辿っており、政府支出が増えると平均給与は上がり、政府支出が減ると平均給与は下がっている。つまり、政府は支出を削ると企業も何かを削っていることを物語っており、企業の業績不振は政府支出の減少によるところが相当に大きい。
失われた20年はグラフからでも分かるように、政府支出を減らしてきた結果だ。
政府の支出を減らすと経済は必ず下落する。主流派経済学者の誤ったやり方で、財政健全化等と政府支出を減らした結果、企業も労働者も疲弊することになった。これだけではない。あらゆる分野の予算を減らし続けており、医療費抑制や病床数削減等もそうだ。有事の今でさえ、ケチケチ予算案になるのも同様の理由からで、これほど国民を苦しめる緊縮財政を強いる政府は狂気の沙汰としか言いようがない。