有事に削減発想の愚策
保身か 経済に無理解な政治家
当新聞で何度も掲載してきたように、政府の長年の緊縮財政(プライマリーバランス黒字化目標)で国民も企業も疲弊してきた。放漫財政等とメディアや御用学者達は平気で嘘をつくが、放漫財政であればなぜ国民は貧困化し、予算が削られ衰退しているのか。誰一人として説明しない。これだけでもおかしいと気付くジャーナリストや学者はいないのか。
「放漫財政」「財政健全化」結論。ありきの論調はますます国民を苦しめる。日本は通貨発行権があり、実体経済を毀損しない限りにおいて、財政支出を拡大してもなんら問題ない。ところが、財政支出をケチるため、貧困化や衰退している事実があるにも関わらず、この上で更に無駄の削減や、政治家や知事が率先して「あっちを削ってこっちを削る」思考で、政府に頼らないことを前提で物事を進めようとしている。
本来であれば政治家や知事は「政府よ、国民を救うために金を出せ」と迫る立場ではないのか。有事でわざわざ身を切る改革のような愚策を進めようとする発想は、「予算を増やさず頑張ります」と宣言していることと同義だ。世界はコロナ対策に渋らず財政支出し、国民を助けようとしている。我が国の政治家は国民の助け方を知らないということなのか。
医療費抑制のツケ
上記掲載のグラフは保健所総数の推移だが、平成9年から極端に減っている。緊縮財政前提で保健所を減らしてきた結果、現在のコロナウイルスで医療従事者が困難に陥ってしまう状況を生み出してしまった。
驚くべきことに、財政健全化の名目で病床数まで減らすことをしており、慶応大学の土居丈朗教授は病床数削減の正当性をインタビューで答えている記事があり、ツイッター上で炎上している。病床数削減はツケとなっていることは言うまでもなく、医療従事者の困難な状況は、緊縮財政を推進する彼ら御用学者によってもたらされたと言っても過言ではない。
普段の無駄は余裕を生み出す
財務省はプライマリーバランス黒字化目標を達成したいあまり、無駄の削減と引き換えに、災害大国である日本を弱体化させてきた。
医療費抑制もコロナウイルスで早々にツケが出てしまった。普段の無駄は災害時に逼迫させない、有事に困窮させないために必要だと今回ではっきりしたのではないか。