経済同好会新聞 第95号 「現況 積極財政待ったなし」
現況 積極財政待ったなし
日本政府は全ての国民、企業を救え!
5月鉱工業生産は、予想されていたとはいえショッキングな数字だった。「四番打者」とも言える自動車の不振が主因であり、世界の自動車需要を見通せば、主軸の不振で日本経済の停滞が長期化する可能性がある。自動車産業は裾野が広いだけに他の産業への波及効果もあり、年内の3次補正編成は必至の情勢になってきたと言えるだろう(ロイター)。
全体の鉱工業生産指数が、対前月比マイナス8.4%。対前年比マイナス24%。自動車工業の生産が、対前月比マイナス23.1%、対前年比マイナス59.1%。グラフが示す通り、とてつもない落ち込みだ。
供給側に立つ生産が1年前と比べ半数以上も落ち込むことは、自動車関係で言えば、完成した車に関連する企業だけでも、ボディの原料を提供する企業、部品を作る企業、電気系、駆動系や車を組み立てる企業、販売等があり、複数の企業に影響が出て来る。何気なく使っている製品でも多くの企業や労働者が関わっているのだ。
映画の最後に流れるスタッフロールがそれを物語っているように、供給側である映画に関わる企業が上記グラフのような落ち込みが起きると、スタッフロールに流れている企業や個人全てに影響が出る。選別している場合ではなく、全てを救わなければ、需給の毀損で没落必至だ。
政府はなすべきことをせよ!
コロナ禍により、世界は国境封鎖をしなければならず、経済を外需に依存していた国は痛手を受けている。グローバル化が有事には脆弱だと思い知らされているだろう。日本は内需の豊かな国で、元より多くを外需に依存していないが、長年の緊縮財政により内需の毀損が起きている。
グローバル化による需要を国内需要に回す政策をとることで、関連企業を救うことが出来るため、内需への転換は即刻行うべきだ。遅れれば遅れるほどリストラや倒産は進むだろう。積極財政待ったなしの状況だ。すぐにやるべきことは多くあり、消費税廃止や税金の減額は疲弊している企業や国民にとって恵みの雨になる。一律給付金も効果的で、生活基盤の下支えになる。
政府は有事に突入した時点で、補償をセットで対策していなければならないが、未だこの最低限の危機管理すらしていない。コロナ感染も経済的毀損も政府による人災という他はなく、緊縮財政から即刻、積極財政に転換すべきだ。政府はいつまで歴史に残る汚点を量産し続けるのか。