真水で出さない姑息
経済対策108兆円
真水(まみず)とは。塩分などのまじらない水。淡水。さみず。経済においては、政府が経済対策を発表すると、「事業規模10兆円」という風にその対策全体の大きさが示されるが、その全額が経済成長率の押し上げに直接効果があるとは限らない。そのため、実際に「GDP(付加価値)を直接増やす効果のある対策」を測る概念のことを真水という。
真水で108兆円かと思いきや、事業規模で108兆円。政府は、国民はこの金額だけを見て調べないと高をくくり「国民に希望を持たせ政権維持を試みる」姑息なやり方をしている。これは安倍政権の常套手段で、第二次安倍政権の2年目以降はずっとこうしてきた。
真水ではいくら?
金額は約16兆円との報道あり。これが真水。16兆円といえば対GDP比で3%にも満たない。国民1人当たり13万円程。アメリカでは対GDP比で10%。日本政府は国民の足元を見定めているということだろうか。この有事に「108兆円」という数字だけで中身を読まない国民に小手先の安心感を試みて来るとは許しがたい。
その他には、税金や社会保険の納付猶予は26兆円規模。企業への資金繰りには融資(貸付)。有事の際は経済打撃から猶予ではなく免除が妥当なのではないのか。
未だ、隙あらば緊縮財政の財務省に忖度するとは、政権中枢は機能不全に陥っているということだろう。財務省は財務省で、国民の生命がかかっているとは思わないのか。いざという時の国家がこれでは、理不尽極まりない。
政治家は経世済民を
今回の新型コロナで世界は積極財政を展開している。我が国は真水で16兆程度。アメリカでは真水で100兆を超えている。有事の積極財政は当然のことであり、相手はコロナだという切実さが日本政府にはない。実質、国民に丸投げ状態になっている現実を見れば一目瞭然だ。
コロナ次第で予算は増やさなければならないが、日本はプライマリーバランス黒字化を目標にしている財務省がいる限り、小出し予算はどこまでも続く。即刻破棄しなければ国民は無駄に死に、企業倒産のラッシュは回避できないだろう。
国民の危機を救えるのは政治家。財務省政権では無理だ。