経済同好会新聞 第253号 「米国に続くか日本」
米国に続くか日本
長期支出で経済復活の道筋か
米国のバイデン大統領の積極財政に基づく長期計画を倣ってなのか、経済産業省は「経済産業政策の新機軸~新たな産業政策への挑戦~」と題して、これまでの日本や世界が辿った問題、変遷やこれからの戦略等を公開した。中の人が入れ替わったのかと思えるほどの転換に目を見張るものがある。これまでの経産省は財務省が予算を出し惜しみしていたこともあってか、短期計画に基づいたものばかりで国民に貢献するものはほとんどなかったが、この度のものは長期計画に基づいた本気度が見られる。問題が出れば慌てて財政出動をするような、どん詰まり政策からの脱却も目指している。
ただ、懸念があるとすれば、ワイズスペンディング(賢い支出)。これは選択と集中であり、これまでの日本が衰退してきた原因なのだ。所得低下の最たるものである。
焼け太りのパソナには規制強化を
そもそも、日本の黄金期は非正規労働者は稀な存在だった。正規社員の雇用は終身雇用を目指すものであり、みんなが貯金をしながら物を買うことで好循環を生んでいた時代があったのだ。聞くところによると、「お金があるから、とりあえず出かけたついでに特別に欲しいと思ったものでなくても何か買っていた」という人もいた。定期積立もでき、物も買える。セカンドカーの所持も珍しいものではなかった。海外に打って出る必要もなく、大手自動車メーカーは国民がお金を持てば買ってもらえていたのだ。
ところがこの数十年の日本経済は停滞し、貯金も出来ないほど貧困化する人が増えた。車も普通自動車から軽自動車に乗り換えないと維持が困難という人も。これは個人や企業でもそのような現象がみられる。
その一方でパソナは政府とパイプを持ち、今年は中抜きで利益を10倍も出している。。パソナは労働者を派遣する企業であり、政府と労働者から共に中抜きをする悪代官のようなことをしてのさばっている。法人税減税により、正規社員の所得が上がらない事態も続いている。
この構造を変えることは絶対であり、さもなければ政府が発行したお金は正しく分配されず、売り上げを出した企業も労働者への給料に反映されないままだ。
更に、消費税が常に消費を抑制してしまうため、アクセルを踏みながらブレーキかける本末転倒なことが現在も起きているように、経済成長の足かせになる。
かつて公共部門だったものを民営化したため、国民に負担がのしかかってしまう状況も改善しなければならない。これらを早急に規制強化すべきであるが、政治家はなぜ問題にしない。経済学者も分かっているはずだ。
偽愛国者たち
今でこそグローバル化の弊害を知る人達は増えてきたが、愛国者を装いながらグローバル化を進める自公明政権を支持する影響力のある人達がいる。更にそれらを支持する者達は、自らを愛国者と自負しているのだから滑稽極まりない。笑いごとではなく、彼らは国家を毀損している自覚がないのだ。
愛国者であるならば、真っ先に国内外の安全保障を求めるであろう。グローバル化は国家の切り売りに他ならず、インターナショナルとグローバルの区別はすべきだ。なぜ分からぬ。
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sokai/pdf/028_02_00.pdf