トリクルダウン神話
日本経済長期停滞が続く理由
この話も何度かしているが、「経済の不況下で特定企業の利益が増える」原因は何なのか。巷ではトリクルダウンを信じているのか鵜呑みにしているのか、はたまた、世論誘導しているのか、そのどちらもあるだろう。上っ面だけの煌びやかさのみを見れば、世の中は上手く回って成功者も出ている気にもなるが事実は真逆。表題の通り、トリクルダウンは神話のようものであり寓話の世界とも言え、その証左に格差拡大と貧困は解決なされていない。我が国も米国も長期停滞に陥った現象は、偶然ではなく経済政策が異常だからである。この異常が先ほども述べたように、経済の不況下で特定企業の利益が増えることになるのだ。どういうことか。驚くべき言説に収益の低い企業を淘汰する代わり、高収益の企業に資源を集中して使わせることで経済は良くなるというもの。これはそのまま「寡占化」を促すものでしかない。実際にそうなるように政治が動いているではないか。これに加え、法人税減税も無関係ではなく、税制の改悪を含めた悪政が長期停滞の原因になっているのだ。賃金が数十年単位でずっと上がらないこととも関係しており、このような構造を放置するほど格差は固定され、経済の不況下で特定企業の利益が増えるようになる。トリクルダウンを鵜呑みにすれば寡占化が進み、その代償が貧困と格差拡大だ。
自縄自縛
病気になればお金がかかるように、経済の不況も同様だ。この至極当然のことが分からず、財政健全化!国の借金を減らせ!等と、病人にも負担させることをしているのが我が国。普通の感覚を持っていれば、まずは健康にさせることをするだろう。そうなればパフォーマンスは上がる。これは何も政治に関わらず、色んなところで共有されている認識だ。それが財政になると途端に通用しなくなる。自縄自縛の元になっているのだ。 ここで重要なことは、当新聞第501号でも述べているが、我が国は管理通貨制度であること。ランダル・レイ曰く、
租税の本当の目的は、政府に支出の財源を共有することではない。政府自身の通貨に対する需要を生み出すことで、政府がそれを支払い手段として使えるようにすることである。