桁違いの対策費
2020年度予算案は28日午後の衆院本会議で採決され、自民、公明両党などの賛成多数で可決、参院に送付される。予算案は102兆6580億円。
同日、野党が提案した「マイナンバーポイント還元事業(2478億円)、カジノ管理委員会運営費(38億円)を削除し、新型コロナウイルス感染症対策費に組み換える」案は自民・公明・日本維新の会などの反対多数で否決された。
安倍首相は「2019年度予算の予備費103億円を含めた総額153億円の財政措置で必要な対策を実行していくことが可能」としているが、国民一人あたりに換算すると127円と極わずか。あまりにも楽観視過ぎではないか。2020年度予算案には新型肺炎の対策費は計上されていない。
対策費が各国とこれだけ大きく差が出てしまうのはなぜなのだろうか?
当新聞第14号に掲載の記事中に「貧困化しようと災害が起きようとプライマリーバランス黒字化目標を優先し予算を削る」とあるが、まさに日本政府のこの少ない対策費はプライマリーバランス黒字化目標が足枷となっているからではないのか。
政府は最優先ですべきことは国民を救うことであり、これ以上に重要なことはない。
自民・公明・維新の議員らは、汚職事件も払拭しきれていないカジノを中核とするIR(統合型リゾート施設)の方が国民より重要ということだろうか。
たださえ経済打撃を幾重にも受けている国民に対して、政府の対策はとても現実を見て導き出しているとは思えない。景気対策、新型肺炎対策にこそ、積極的に支出することが国難から国民を救うことになるは明らかだ。
このままでは更なる混乱を招くことは必至であり、国民はますます疲弊するばかりだ。