漢字で見る 所得の下落
日本の実質賃金の推移と今年の漢字
1995年から開始した「今年の漢字」。日本漢字能力検定協会のキャンペーンで、漢字一字を選び、その年の世相を表す字であるとして決定し公表するイベント。
当新聞第90号で掲載しているグラフ「実質賃金の推移と年代別流行」では、記憶を呼び覚ます一助になればと作成したものだが、今回も同様の趣旨だ。
1997年には、この職種だけは絶対潰れることのないと言われた銀行が倒産した年だ。北海道拓殖銀行、山一證券をはじめ大手企業の倒産が相次いだ。
この年から賃金は下落する一方で、消費税率5%に引き上げたことが大きな原因となっている。
2006年は小中学生の自殺が多発した年で、自殺対策基本法が施行されている。
災害も目立つが、日本は自然災害大国であるため、公共工事は絶えることなく技術や継承が必要になる。歴代政権は建設国債を減らしてきたため企業の倒産も多く、災害復興の遅れや、インフラ整備や国土強靭化も進んでいない。
実は賃金の下落もまた、緊縮財政が原因だ。現政権の閣僚のほとんどが緊縮財政派であり、任せておくと日本沈没は避けられないだろう。減税反対にこだわる政治家も等しく緊縮派だ。
【バッカス・高橋聡】