大衆扇動型政治
政府構造改革、大阪都構想に警鐘
大阪市廃止を問う、住民投票は11月1日に行われる。メディア関係者が説明会に参加し、いざ質問という段になると「質問時間は20分」、指名はたった6名で時間切れになり質問できなかったという。どこかで見た覚えがあると思った人はこう思っただろう、「安倍政権の時と同じだ」。
質問時間が短いのは、後ろが仕えているわけではなく、質問されると困るということだ。後が仕えているのであれば、質問時間に1時間30分でも割けるように、逆算して時間を設定すれば良い。安倍政権の時と全く同じことが大阪都知事・市長の元で起きているのは、何も偶然ではない。切実に有権者に訴えるのであれば、質問の受け付けは非常に重要な意味を持つ。なぜなら、理解して咀嚼してもらうことが何より大切なことだからだ。
松井市長は大阪維新の会代表、吉村府知事は代表代行、橋下徹氏は創設者である。都構想は過去に反対票多数で終了したものと誰もが思っていた通り、橋元氏は「住民投票は一度きり」と言っていた。ところが、また「信を問う」とやりはじめたのだ。忘れてはらない、松井市長は雨合羽でやらかし、吉村府知事はイソンジンでやらかしたことを。有事である今やるべきことは都構想でも万博でもない。人員や予算は、コロナ対応に使うべきではないのか。優先順位が分かっていない異常さだ。
また竹中平蔵
特筆すべきは、政府には国家戦略特区が設けられているが、政商である竹中平蔵パソナ会長がいること、維新の会も同様に竹中平蔵の存在がある。維新の公約を書いたのは竹中平蔵であり、大阪維新を支援している。政府の構造改革にしろ、大阪都構想にしろ、竹中平蔵の名前が挙がって来るのだ。
日本は小泉政権時の竹中構造改革の失敗を未だ引きずっている。その竹中を菅総理はブレーンに据えており、また改革をはじめている。竹中平蔵がいるところには、なぜか利権構造というパイプが出来上がっていく。左翼、右翼共に竹中平蔵の悪行は断罪すべきとの声もあり、政府の改革も大阪都構想による改革も、竹中を通した利権構造が浮上してくるため、公安による取り締まりが妥当だ。
検察は上川法務大臣の意向により、以前のような黒川と同じ過ちを犯すのであれば、いよいよもって日本の破壊が加速するだろう。
大衆扇動の愚
政権維持や大阪都構想推進の共通点は、大衆扇動術を駆使することだ。国民や市民に強制はしないが、進んで良いと錯覚させる手法をとっている。また、無関心層は徹底して放置し、投票率は上がらないが組織票で有利にする。
かつて、ヒトラーは大衆扇動術を用い、ドイツ国家元首になったように、日本政府や維新は常套手段として大衆扇動を行っている。
仮想敵を作り、大衆に攻撃させているではないか。政権は野党、韓国や中国、維新は前知事や共産党とい
った具合。支持率を上げるために、定期的、或いは支持率を上げたい時にやたら仮想敵を叩くのだ。事実と虚偽を織り交ぜてくるところも厄介で、小泉政権時のそれと瓜二つである。
国民が大衆化すればしめたもので、表向きは善意を裏では自己利益最大化を目論む悪質さ。
国家はこうやって衰退していくのだ。