経済同好会新聞 第164号「豊かさの指標「実質賃金」」
豊かさの指標「実質賃金」
生産性の状況を把握するのはこれだ
グラフを見ても分かる通り、実質賃金は下落する一方だ。これは貧困化を意味している。一方で、就業者数は増加しているが、ここに罠がある。
就業者数が増えつつ、実質賃金が下落する意味は、低賃金労働者が増えているということであり、就業者が増えたからと言って喜べる状況とは程遠い。実質賃金の低さは、生産性の低さと直結しているのだ。ではなぜ、このようなことが起きているのか。答えは日本が不況だからである。
止まらない貧困
こども食堂が全国に3700か所以上もあることから、貧困層が多いことが経済を知らなくとも理解できるだろう。事実、グラフは日本の現実が反映されているのだ。
就業者数の増加は、将来不安から「働かざるを得ない」主婦や高齢者の労働者が増えたということだ。リストラにより、正規雇用から非正規になった人もいるだろう。
企業は政府による緊縮財政政策のあおりを数十年も受け続けているため、設備投資できずにいる。物を買える国民が減った、つまり、需要不足からだ。そのため、会社存続のために低賃金労働者を欲するようになり現在に至る。悪循環だ。
お馬鹿、構造改革
そもそも、1990年台に本格化した構造改革、グローバリズムは、「国民の賃金を引き下げ、利益を拡大し、株主の配当金を最大化する」ことが目的でした。
日本国民の実質賃金がひたすら落ち込んでいったのは「政策」の結果に過ぎません。というか、むしろ「政策的な成果」なのです。
構造改革により、「賃金主導型成長戦略」から「利潤主導型成長戦略」に「構造」を変えられた結果が、現在の日本国の衰退なのです。
(三橋貴明)
日本が衰退した原因は、改悪に他ならない。やたら構造改革、改革だと言う政治家がいれば、まごうことなき日本衰退の加担者だ。菅総理は規制改革等と言っているのはその典型だ。
政府の政策により生産性も実質賃金も減ったにも関わらず、生産性を上げるために企業の数を減らせなどと、本末転倒だ。
まるで、強盗が金品を盗んでおいて、まだ足りないのはお前のせいだ、もっと財産を寄こせと言うくらい理不尽極まりない。