経済同好会新聞 第261号 「意図的か 経済政策の失敗」
意図的か 経済政策の失敗
やはりおかしい数十年の停滞
日本経済の停滞は数十年に及ぶ異常さは恣意的であると、当新聞で述べてきた。竹中平蔵パソナ会長はかつて、「若者には貧乏になる自由がある」と述べており、まるで予測していたかのように日本は貧困化していった。財務省の予算削減や予算の付け替え(トレードオフ)もさることながら、小泉政権時に竹中氏が3つの経済指標を変更したことで、インフレが抑制されるようになっている。インフレ抑制はすなわち、経済成長の阻害を意味しており、需要が減少することである。消費活動が鈍るのだ。
菅政権ブレーンのアトキンソン氏の言う中小企業を半分に減らすというのも、経済成長を阻害する大きな要因である。企業の数を減らすと供給力が減るため、それに伴って需要も減ることは自明の理だ。供給側にいる労働者は、需要側にいる消費者でもあるのだから。
かつて米国はアトキンソン氏が言うことを世界恐慌期にやっている。どうなったか。失業率が激増し、GDPは30%ほど下がってしまった。こんなことを日本でやれば、恐慌が起き自殺者が増えることは容易に予測できる。企業の生産性が上がらないのは、政府の誤った経済政策や構造改革により国内需要が弱体化しているからに他ならず、政府による人災である。
企業淘汰と合併
企業が合併していくと経営者にとって合理的なメリ ットはあるが、合併の際に企業の数が減るため、雇用の受け皿が減少し労働者にとってデメリットだ。韓国では相次ぐ合併で企業が肥大化し、GDPの7割が財閥系企業が占める事態が起きていた。一方で雇用の受け皿が少なくなり、失業率も数年単位で悪化し改善しなかったのだ。これは典型的な合成の誤謬である。
やはり、自公明政権は国民も国家のことも見ておらず、利権政治をしていると言わざるを得ない。資本家の手先に成り下がっている政治は、労働者不遇の時代を生むと心得よ。
需要増こそ賃金上昇へ
企業は設備・研究開発等に投資を行い、社員の給料を上げることに努める状況こそが、供給が増えている時の姿である。これと密接に関係しているのが需要だ。 需要である消費者が物をよく買うことで、企業は供給力を高められるようになるのだ。ところが、バブル崩壊以降の日本企業は余剰資金の傾向にあり、それは非正規労働者や給料が上がらないい正社員とも無関係ではない。当新聞で何度か書いてきたが、法人税減税が原因であったり、労働者を低賃金化することで、利益だけが上がっているように見えているだけの虚構が、日本を代表する企業の実態だ。加えて、派遣企業自体が低賃金労働者を生み出しているため、何重にも需要を毀損する社会になっている。消費税に然り。
需要の減少はそのまま供給の減少を意味するため、需要を増やす政策を講じなければ、日本の復活はないと言わざるを得ない。消費増税や身を切る改革を言う議員がいれば、落選させるに限る。