高橋氏の経済観とは
つながる菅・高橋・竹中・維新
先日、「さざ波・笑笑」で大炎上した嘉悦大学教授の高橋洋一氏。彼は菅政権のブレーンであるが、大阪維新の会のブレーンでもある。大阪市の特別顧問も務めおり、橋下市政の際も同様。小泉政権期には竹中平蔵氏にプライマリーバランスを提案したとされる。
高橋氏はふるさと納税の発案者ではないものの、政府に提案をしており、その実態は地方交付税交付金を縮小する代替とされていると見る向きもある。
さらに髙橋氏は小泉政権下での構造改革(日本道路公団、政策金融機関、郵政民営化)に携わっている。郵政民営化における4分社化や日本郵政公社の廃止後、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険へ移行させる措置などは髙橋氏の考案だ。であれば、彼は財務省を批判するが、財務省をアシストしていることになる。プライマリーバランス黒字化目標も財務省の省是となっており、高橋氏がこしらえた悪影響は決して小さくない。
高橋経済のカラクリ
高橋洋一氏はWEBVOICEでこのように寄稿している。
ところが日本の場合、資産も負債も膨張したままで、資産に手をつけようとしない。
日本の純資産は「資産220% - 負債238%」=「対GDP比マイナス18%」。ドイツ、カナダ、アメリカよりは純資産額が少ないですが、フランス、英国、イタリアよりは純資産額が多い。
であれば、「まず資産を売って負債を減らす」のがバランスシートを保つための優先策のはずです。
高橋氏の経済観は詳しくない人にとって一見良さそうに思えるが、実は政府資産と負債のバランスを重視するタイプで、財務省の財政均衡と同じ理屈になる。なぜか。彼は国の借金は大したことないと言いつつも、よほど大きなマイナスでなければ破綻しないと言っている。つまり、破綻する前提に立っているのだ。そして、バランスシートを保つための優先策として、「まず資産を売って負債を減らす」としている。
この理屈の恐ろしいところは、負債が多くなれば資産を売却すれば良いという話になってしまうところ。政商が規制緩和だ、岩盤規制が!と言うのは、そういうことである。民営化させて国費を浮かせる。これは財務省が喜ぶ政策だ。
高橋洋一氏は竹中平蔵パソナ会長と元上司と部下の関係である。政商である彼のアシストも、財務省のアシストもしていることは火を見るより明らか。そして、高橋氏が作成した左のグラフ。
まず、バランスシートは必ずバランスするが、氏が作成したものはバランスしていない。これではアンバランスシートである。恐らく、空いた部分は純資産が入ると思われるが、「徴税権」を資産に入れているところも意図的なものがある。
非金融部門と金融機関のバランスシートを混合させているところも、恣意的な狙いがあるのだろう。高橋氏はやはり財政破綻の前提に立っているため、このようなバランスシートを作ったのではないのか。