経済同好会新聞 第260号 「豚に真珠 管理通貨制度」
豚に真珠 管理通貨制度
「醜い国、日本」にした人達
昨年の自粛要請と補償はセットの世論を経て、インターネット上では一律給付金を求める運動が起こり、それら人達に対して乞食と罵る人達がいた。運動は功を奏してか、与党は特別定額給付金10万円を支給することが決定し、蓋を開いてみれば99%もの国民が受領していた。
乞食呼ばわりする人達もちゃっかり受領したということなのか、あるいは残りの1%の極少数の人が批判者だっとも言える。その中でもやむを得ない事情で受領できなかった人達もいるだろうことを考慮に入れれば、批判者は更に少数であると言える。つまり、特別定額給付金受領者が99%ということは、多くの国民による民意の表れであることに他ならない。
使途は税支払いにほとんど費やした、劣化した家電を買い替える人等様々な声が聞かれた。それもそのはず、国民負担率は46%強もあるのだ。消費税の減税、あるいは負担を減らすと同時に、経済を回復させたいからに他ならない。固定資産税も馬鹿にならず相当重く、税支払いの為に貯蓄しておかなければならないため、余裕のない人も多い。以前は出来たことが出来なくなっている人が増えているのだ。
道徳を装う偽善者達
管理通貨制度は税金を財源にする金本位制から脱却するために出来たものであるが、これは政府が所得分配を行えるようにすることで、弱者から税負担をなくするためだ。知の巨人であるケインズの功績は非常に大きい。
日本は英米と同様に管理通貨制度であり、税は財源にならないが、管理通貨制度でありながらわざわざ金本位制にする非常にややこしいことをしている。これは政治的意図があるからに他らなず、資本家の意志でもある。
消費税を一律に安定して課税できる税制だと言い放つ者は、資本家のプロパガンダを代弁しているのだろう。経済御用学者が誰であるか分かるというものである。弱者に厳しい消費税を擁護する者は、意図せずともそれだけで善意の仮面をかぶった国賊である。
「醜い国、日本」にしたのは、口先だけの愛国者を気取った政治家やその支持者。竹中平蔵パソナ会長をはじめとする政商達、グローバリストや資本家である。経団連や連合もそうだろう。それら言う事を聞いている政治家は誰かということである。管理通貨制度でありながら、このような経済停滞を数十年も継続させることは、恣意的でなければ有り得ないのだ。腐敗はかなり進行していると見做さなければ、問題がどこにあるのか見誤ってしまう。
財務省は税は財源である金本位制であるかのように、各地の理財局等を通じ、小学生に教え洗脳していることからも、国の借金デマを絶やさないようにしている。
資本家は富み、中間層以下は貧困化の一途である。恐ろしく許しがたいいのは、手間暇かけて培 ってきた供給力を潰すことに、なんの躊躇もない政治家や菅政権ブレーンのアトキンソン氏がいるところ。政府が経済政策を誤ったために企業は業績が悪化したものを、ゾンビ企業は淘汰だと言うのは、まるで居直った泥棒のようだ。国賊そのものである。
人命より財政規律、人命よりオリンピックである。これは価値観の狂った人間が政治をしたり、リーダーになっているからに他ならない。