経済同好会新聞 第413号 「支配したがる者達」
支配したがる者達
管理通貨制度と明言しない政府
EU等と違い、我が国は管理通貨制度を採用している。ケインズが考案し、ケインズ死後に実現された制度だ。管理通貨制度の前は金本位制を採用しており、未だ多くの人は金本位制であると固く信じている。例えば、家計と国家財政は同様であると思っていることは金本位制そのものだ。財務省のホームページがそのように説明しており、堂々と嘘を掲載している。
管理通貨制度は税金を政府支出の財源にする必要がなく、徴税が財源の全てだとする学者や政治家は意図的に嘘をついているのか、無知のいづれかである。では、管理通貨制度における税金は何のためにあるのかと言えば、何度も述べて来たが経済の調整弁だ。格差拡大を防いだりインフレを防止する等、経済の安定化に寄与する重要な役割を担う。税制もこれに従い作られるべきなのだ。
金本位制は徴税されたお金は財源とするため、この認識は多くの国民が持っているだろう。管理通貨制度の場合、徴税されたお金は徴税された時点で役割を終える。役割を終えるとはつまり、政府は徴税とは無関係に支出できることを意味するのだ。政府は貨幣(お金)の提供者であり、国民はそのお金の利用者である淡々とした事実が管理通貨制度では浮き彫りになるのである。
ケインズの弟子アバ・ラーナーは、政府は家計や企業のように収支を気にする必要はないと言っており、気にすべきは物価と景気に与える影響であるとしている(機能的財政論)。
支配的コントロール
一方でやかましい財政規律は金本位制に基づいており、財政均衡をしたい者達が指針にしているものだ。財政均衡を推奨している人達とは、国際投資家(グローバリスト)、自民公明与党、複数の野党、財務省やIMF。国際投資家は与党に法的に優遇させるよう圧力をかけ、法人税減税を実現させている。法人税とは株主(投資家)への懲罰となる故。
財務省は予算の主導権を握るため、財政均衡とは親和性が非常に高い。なぜか。各省庁に支配的な立場を強くすることが可能になるからだ。小学校で「税金」と習字に書かせるほど支配的である。我が国が管理通貨制度であるにも関わらず、金本位制の立場からレクチャーを行っている様は暴力的だ。ますます自らの力を支配的で盤石にさせるようなものである。政治家も情けない。エリートコンプレックスをこじらせ、財務官僚のレクチャーをほいほい聞くパペットさながらだ。国民の生命より財政規律を選択してしまうことからも、政治家の国家間の欠如が透けて見えているのである。口では寄り添う等と言うが、金本位制を採用している時点で寄り添うことを放棄しているようなものだ。どれだけ本心からそう言ってみたところで、政策がそうなっていないのだから。
我が国が管理通貨制度であることを認識しなければ、苦しむ国民が出続けるだけだ。この苦しむ国民を自己責任だとか努力不足等と言い、現実逃避することで罪悪感を薄めることになる。そうなると金本位制以外は認めず、さながら宗教を騙ったカルトのように自己洗脳によって、管理通貨制度を言う者達に対して排他するようになる。洗脳は真面目な人が陥ると言うが、プライドの高い者に然りだ。米国の主流派経済学者でさえ、主流派から脱却しつつあるのに。
ツェリ子様
シュリンクフレーション