「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第331号 「福祉政策は持続可能だ」

福祉政策は持続可能だ

福祉政策は持続可能だ

福祉政策は持続可能だ

管理通貨制度における社会保障

 バブル崩壊以降、我が国では「改革」が横行している。あたかも、改革が自明に正しいとされる風潮だ。つまり、国民側からすれば改革と聞くと即座に「なにか良い事をしてくれそうだ」と反応する次第。
 彼ら改革派の言う、公的給付制度(社会保障医療保険等)が膨大になるため、遅かれ早かれ制度が破綻するという話は、実は我が国には全く当てはまらない。なぜならば、我が国は管理通貨制度だからだ。であれば、高齢者から「介護保険料」を徴収する必要もない。そもそも、高齢者は介護を受ける可能性が高い層であり、彼らから徴収することは本末転倒、支離滅裂、何をかいわんやである。
 管理通貨制度である我が国は税を財源にすることなく、政府が支出すれば済むのだ。勘違いしてしまうのは、財源が税金で賄われていると錯覚していること。これは金本位制時代の考え方であり、現在は管理通貨制度に移行されている。「財源が枯渇する」という概念はないのである。したがって、国民生活や経済全体のバランスを優先することがで、財政を優先させる必要はない。
 本来であれば、政治は国家を維持すること、即ち、供給力を安定的に提供することが出来るように取り計らっていくことだ。安全保障に然り。ところが、財政という価値観に重きを置くようになってしまってからは、被災者、弱者や高齢者から税負担をさせる大きな自己矛盾に陥っている。「改革」がもたらした禍根は、このように国家を蝕んでいるのである。


根本を見よ

 公共投資が削減されてきた我が国おいて、更に頭を悩ますのは福祉制度。本来、管理通貨制度においてこれらは両立されるものであり、「削減の対象」ではない。これらを削減することは、国家の弱体化・経済のバランスを崩すものとなる。公務員の非正規化に然りだ。もう忘れたわけではあるまいこのコロナ禍において大阪の後手後手ぶりは、身を切る改革による大きな弊害だ。公務員の非正規化や削減は、ことある毎にこのようなことが起きると心得るべきなのだ。彼らのような改革派こそが、「福祉の持続性」を妨げているのである。即ち、管理通貨制度を殺すことをやってのけているのだ。ドイツの哲学者ニーチェ曰く、

 

 樹木にとって何が一番大切かと問うたら、それは果実だと誰もが答えるだろう。しかし、実際には種なのだ。

 

 科学では基礎研究、経済では貨幣(お金)が種である。これらは人々の生活に利便性と安定性をもたらす。この根本にある種を蔑にし、上辺だけの果実が大事だと世論誘導してきたのが、これまでの改革者達だ。果実になるまでの過程を描けない人間が、改革だ!身を切る改革だ!等と叫んでおり、根本を蔑にする彼らは、全て紛い物である。なぜか。経済の調整弁である自動安定装置が働く、累進課税がきちんとなされているかどうかが極めて重要だからだ。明日は我が身、病気や事故でいつ弱者になるか分からない。年を取ることも免れない。弱者から負担を求めず、所得が高い者に負担を求める累進課税が肝要なのだ。この根本がなっていないのである。