「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第355号 「自己責任 大いなる勘違い」

自己責任 大いなる勘違い

自己責任 大いなる勘違い

自己責任 大いなる勘違い

言葉の奴隷になってはならない

 寒い環境下では、空調や何らかの方法で暖を取った方が集中力の維持、身体の負荷も精神的な負荷も相当緩和されるだろう。家庭や企業においても、なるべく快適な環境を整えることは標準的な考えとなっている。多くの国民とって寒さに震えながら何かをすることと、整った環境でするのとでは、後者の方が圧倒的に益になるだろう。
 一方で我が国の政府。税負担を前提とするその様は、国民にとって負荷がかかっている状況だ。経済の停滞やデフレ下では、税負担を軽くすることで国民への負担(負荷)を軽くすることが求められる。家庭や企業が快適な環境を整えるように、政府は国家全体の環境を整えることを考えねばならない。ところが、これを甘えだと考える人達がおり、「自己責任や努力不足という言葉」によ って切り捨てるのだ。このような風潮は、困っても声を上げられなくなり、例えるなら、遭難しても救難信号を出さないことと等しい。これが国民にとって益にならないことは論をまたず、むしろ数十年も経済を停滞させてきた一因である。なぜか。 声をあげないことは、政治の批判に結び付かないからである。害の方が大きいのだ。トーマス・カーライル曰く、

 

 言葉の奴隷になってはならない

 

「無敵の人」

 寒さに震えながら努力と根性で何かすることより、環境を整えてする方が良いことをみんな理解している。ことわざ「衣食足りて礼節を知る」の通り、歴史の知るところである。これは身体・精神的にも調和されやすいことを示唆しているのだ。この数十年における我が国の経済は、停滞と衰退を繰り返しており、国民の負担が増えている。いわゆる国の借金にかこつけ、国家の環境を整えることをしてこなかったのだ。むしろ、政商のような中抜き屋を政治に関わらせ、非正規社員のような低賃金労働者を増やすことをしてきた。多くの国民の所得が上がらないのも、税制を改悪したからである。その反対で一握りの者が利益を得てきたのだ。この上で自己責任とくれば、歴史に学ばない愚者と断じざるを得ない。かつて、ドイツの首相であったビスマルク曰く、

 

 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

 

 経済クラスタ曰く、

 

 愚者は経験にすら学ばない

 

 「無敵の人」という、周囲の迷惑を顧みずに他を巻き込みながら自殺する存在は、自己責任論者こそ「無敵の人」を生みだしていると理解しなけれならない。人は追い詰められると何をするか分からない。つまり、自己責任の風潮こそが、「衣食足りて礼節を知る」とは真逆を行き、無敵の人を作り上げているのである。弱者を叩いて溜飲を下げる無邪気な馬鹿者共は、彼らも心が弱い者であることも、同時に知っておくべきことだろう。教育の敗北である。
 教育の敗北による弊害は、金儲け出来る詭弁屋を崇めまつるようになったこと。そして、竹中平蔵という政商や、その関連である大阪維新の会を生きながらえさせているところ。他には、市場原理主義や自己責任論に疑問を思わぬところや、経済が三十年近く停滞していようと疑問に思えないところ。「衣食足りて礼節を知る」を政治家も含めて、多くが頭だけの理解であるところだ。