「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第368号 「行き詰り グローバル化」

行き詰り グローバル化

行き詰り グローバル化

行き詰り グローバル化

恩恵は一握りの多国籍企業

 グローバルと聞くと、何やら多様性があり良いことであると思う人はいるだろう。これと等しい錯覚として存在するのが「改革」という言葉。グローバルと改革が良いものをもたらすと漠然と思えてしまうのことも、「なんか地位のある偉そうな人達が言っているから」ではないだろうか。グローバル化を進めてきた結果どうなったかは知る人は知っているが、蓋を開けてみると多国籍企業が潤っただけであって、それ以外の大多数は恩恵を受けることはなかった。むしろ多国籍企業の商売をしやすくするために規制緩和を行ったため、弊害が大きく出てしまったのである。庶民は取り残される一方で、一握りの者が自己利益を膨らませていたのだ。これがグローバル化や改革の正体である。
 世界はこのグローバル化に疑問を持ち、反グローバルの流れではあるが、我が国の暴走は止まらない。行き詰りを見せたグローバル化に未だ執着しているのは、一部の企業が儲かるからである。身を切る改革だ等と言っている者がいれば、それはグローバル化を推進させようとしているからに他ならず、カジノや水道民営化等もその典型である。

 

グローバル化の弊害

 フランスの歴史人口学者であるエマニュエル・トッドは、グローバル化を次のように評価している。

 

・格差拡大
・移民増加
・民主主義の機能不全

 

 格差拡大については当新聞でも幾度も述べてきたが、我が国だけのことではなかったのだ。移民の増加による弊害もあり、中には「自分の国が別の国のように変わってしまった」と嘆く人もいるほどだ。他人行儀になり、閉塞感も生まれ疲れてしまうのだ。これはグローバル化疲れの一種である。
 民主主義の機能不全とは、エリート層の劣化によるところが大きい。「採算を取る」ような言説が典型的だが、人の営みは決して採算性で計れるものではなく、社会を見渡して不足しているものを補っていくことを考えられる昔のエリートではなくなったことを示唆している。利他的な視点が失せているとも言い換えることが出来よう。トッドは、「庶民の声が政治に届きにくくなったのではないか」とも指摘しており、民主主義が上手く機能していない原因であるとしている。これは我が国において、「トップダウン」がそれにあたる。
 グローバル化の弊害として肝になるところは、主だった国民生活がグローバル化社会に構造を変えることにより、国民生活がそれに合わせさせられるようになった。つまり、国民生活の優先度はグローバル企業よりも後回しという本末転倒が起きているのである。グローバル疲れは、わがままな人間がいたとして、文句も言わずにそれにつき合わされていることと同義だ。しかも、社会は他人行儀で所得も伸びず、常に閉塞感がつきまとう。
 当然のことながら「三方よし」の商慣習もグローバル化によって多国籍企業の都合の良いように変えられ、市場原理主義で地域社会への貢献も希薄になった。
 主だった国民生活がグローバルの手段と化し、グローバル化そのものが目的となっている。本来は日本国民が国内で生活を営み、生活レベルの水準を上げていくことが望まれ、これを主に置くべきなのである。

 

 


 

愛知県医労連
病院で働く介護職の訴え

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