「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第415号 「低きに流れる政治家」

低きに流れる政治家

低きに流れる政治家

低きに流れる政治家

財政規律は思想の過激化を生む

 困っている人がいたら助ける、このような当たり前のことが出来ない国家がある。我が国だ。ワーキングプアを多く生み、就職氷河期世代の救済もほとんどして来なかった。歴史が示唆していることは、政治が失業や貧困を放置した国では思想が過激化しファシズムを生んでいる。
 浜口幸雄内閣の政治が当時の国民を困窮させ、中間層は没落し過激な労働運動や右翼化に走らせた歴史がある。これは財政健全化路線を堅持した結果なのだ。国民を貧困化させるとファシズムが生まれることは、ドイツの歴史を見れば一目瞭然だろう。軍国主義だからファシズムが生まれたのではなく、ファシズムが先に生まれ、軍国主義に傾倒していくのである。なんのために語り継がれ、記録された書籍や学者が存在するかをあまりにも軽視しすぎている。マーカス・ガーベイ曰く、

 

 民衆が過去の歴史の知識を持たなければ、その起源と文化は年輪の無い木のようなものだ。

 

 高橋是清を批判する人の中にこういうものがある。

 

 ・日銀の国債の直接引き受け
 ・財政拡大による財政規律の喪失により、軍事費増加に歯止めがかからなくなった
 ・敗戦後の激しいインフレを引き起こした

 

 これらは全くと言って良いほど的が外れている。高橋財政下では国債は日銀が一旦引き受けた後に85%以上が民間に売却されていた。一般的に行われる国債の市中消化とほとんど変わらない。
 軍事費については増えてはいたが、是清は実務家として経済を捉えていた人であり、インフレが悪化することを把握していた。そのため、軍事費を抑制的にしたため軍部と対立し、二・二六事件の暗殺につながったとされている。つまり、軍部の暴走は是清が財政規律を喪失させたために起きたのではなく、軍部の要求に反したために起きたのだ。軍部が台頭した結果、インフレを引き起こしたのである。

 

人心知らず衰退する日本

 人が追い込まれればどうなるかというより、市場原理主義で人に迷惑をかけてでもビジネスに高ずる愚か者や、財政規律を選択する財務官僚や政治家がいる我が国はどうしようもない。軍国主義がー!と言う者達は財政規律を尊重するが、先ほども述べたように思想の過激化やファシズムを生むことにあまりにも無頓着だ。
 財政規律が他国への侵略を防ぐというよりも、財政規律によって国民を締め上げる方が軍国化するのである。人の精神とは移ろいやすく、追い詰められると自死を選ぶ人もいれば、激高して思想が過激化しやすくなることこそ、歴史の教訓とせねばならない。
 政治家や官僚は財政規律というノルマ化で安易な道を選び低きに流れるか、複雑で難解な不確実性に頭を使うことで社会をより良くする難度の高い方を選ぶかで、彼らの底が透けて見えてくるのである。
 更に、臭いものには蓋をする政治やグレートリセット等と言う者達も、低きに流れた結果である。ヴォルテール曰く、

 

 歴史は繰り返すことは無い。人間が常に繰り返すのだ。

 

 我々は歴史の先頭を走り、常に歴史を刻んでいる自覚が足りない。