「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第452号 「砂上の楼閣化した日本」

砂上の楼閣化した日本

砂上の楼閣化した日本

砂上の楼閣化した日本

構造改革がもたらしたもの

 ずばり、失われた20年は構造改革が原因だ。これが継続され失われた30年となっている。この中身とは、グローバル化により実体のある経済から金融を見据えた経済に変遷したこと。恐ろしいところは、公的部門を民営化したり、商品化してはならないことを商品化する思想があるところなのだ。守るべきものまで民営化し、金に換えてしまう強欲な者を生み出してしまったとも言えよう。
 他には、生産したモノで利益を出すことよりも、生産要素のコストを下げることで利益を出す大手企業を生み出してしまったこと。生産要素とは、資本・土地・資源・労働のこと。これらは規制によって守られていたが、規制緩和によって破壊された。ここで競争が生じ効率化が進んだかように思われたが、その反面、生産要素が不安定になったのだ。次の事柄は大きな痛手となっている。

 

 ・資本は流動化しグローバルな金融市場に。
 ・間接金融(銀行)から直接金融(証券市場)に。


 この両者がもたらしたのは、国際金融市場の動きによってお金の流れが不安定になったこと。株主中心の経営に変わっていったのだ。銀行も企業に融資する間接金融業務より、証券で利益を出すようになった。

 

コスト削減型経営

 以前も述べているが、企業が利益を出すためにコスト削減を行った結果、労働の不安定化と低賃金化が起きている。これは社会生活を脅かすものであり、経済不安定の一因だ。消費者が家をローンで買う等は、長期雇用が実現されていた側面が大きい。これが雇用の流動化で低賃金化が起これば、家の購入は叶わず、子供がいればなおさらだ。これに加え、政府支出の伸びも停滞しており、消極的な財政で経済の停滞から三十年も脱却できていない。我が国は複合的にダメな政策をやらかしてきたのだ。未だに。
 「フリーター」という言葉が流行った頃を覚えているだろうか。これは労働の流動化を意味し、労働コストを下げることになる。低賃金化はこの時分から始まっていたのだ。。経営者も労働者もウィンウィンの関係かと思えたが、結果は社会に不安定をもたらした。 日本社会の強さは、長期雇用によってもたらされていたのであり、構造改革によ る規制緩和で脆弱になっていった。日本型経営システムとは裏を返せば、社会生活の安定化だったのだ。ここには応能負担による税制も含まれる。

 

シャッター商店街

 構造改革は土地も流動化させた。何が起こったか。都会では資本流入によって地価は上昇し、地方の土地と格差が出来てしまった。土地を売ろうにも売れず、シャッター商店街が生まれるという次第。ずっと放置されているところを見かけたことはあるだろう。
 都心部ではバブルが起き、地方は不況のため停滞と没落。規制緩和による流動化は、生産要素にビジネスが入ることでシロアリのようにダメにしていく。
 建物の土台がシロアリに食われていけば、これはすなわち砂上の楼閣。国民生活が土台にあり、この土台は規制によって守られていなければならない。構造改革は美味そうな土台を資本家に食わせることになっているため、こんな頭のいかれた異常なことは今すぐやめるべきだ。