経済同好会新聞 第459号 「消費税おかしくね?」
消費税おかしくね?
消費税という財源を議論せよ
生まれてから当然のようにして存在するもの。これは当たり前すぎて盲点化する。消費税は社会保障の財源だとする話が当たり前のようになされているが、昔は消費税自体がなかった。そう考えると、いつから社会保障の財源に消費税を充てるがごとく話になったのか疑問が生じる。消費税率5%の際には多くの自殺者を出し、故橋本龍太郎氏は後悔の念を表明していた。
我が国の風潮は一度決まったことは撤回せず、強引でも進めようとするところ。反対者もいるが、次第に他の話題に移ろっていき、それが常態化して定着していく。消費税がまさにこれで、放置されているも同然だ。応能負担の原則に照らせば、消費税は悪税である。この時点でリスクの方が大きいとしなければならないが、詐欺師同然のように「消費税は安定財源」とすることで議論を放棄させようとする。そもそも、消費税を社会保障費に全額充てていないことは、故安倍元首相が答えている。全額どころか、「多くを借款に充てていた」ことも発覚している。それなのになぜ、為政者や学者は黙っているのだ。
一満歩譲って、社会保障の財源を税金で作るとしても、なぜ消費税でなければならないのだろうか。前述したが、消費税は応能負担の原則に反しており、多くの自殺者を出したにも関わらずだ。これを追究しないのは不思議で仕方がない。日本経済の足を引っ張っている要因も消費税は大きく、意図的に議論を避けているとしか思えないのだ。メディアによく寄稿する経済学者からして消費税には肯定的であり、応能負担には一切触れることはない。これほど恣意的な態度は、何かあると穿って見られてもやむを得ないだろう。政治家に然り。
消費税の人質論法
社会保障費を確保するための財源として消費税をうたう。これは社会保障を受ける人達を人質にし、消費税を強引に許容させるためのものだ。消費税を根本から議論しないため、インボイスでも混乱をきたすことになる。大前提に消費税の存在を是としているため、ここに乗っかった制度は例外なく破綻する。この破綻したものを取り繕おうとしても、有能な者しかついていけない。いい加減に根本の土台はどうなっているかを見なければ、砂上の楼閣が次々に出来るだけで危険極まりない。そもそもな話、有能な者でさえ時と場合による運もある。不確実性の高いことはやるべきではないのだ。
前提が破綻していると結果も破綻する。論理的整合性を取れば、応能負担の原則に反する消費税は破綻しており、その破綻した上で何かをやろうとしても上手くいかないのは明らかだろう。そうであってもやめないことには理由がある。その理由とは、資本家を儲けさせるために他ならない。これは富裕層の税負担を低所得層から中間層に付け替えるためであり、つまり、所得移転をしているのだ。
このようなこともあって税金の負担は非常に重い。西郷隆盛曰く、
租税を薄くして、民を裕(ゆたか)にするは、即ち国力を養成する也。
昔の人はちゃんと分か っていた。税負担を軽くすることで国民を豊かにする。これはそのまま国力を上げることにつなが る。阿呆のように消費税は財源だとか、支出したら税金を取ることばかりでは没落もしよう。