経済同好会新聞 第465号 「他人事から崩壊する」
他人事から崩壊する
気付いてからでは遅いこととは
日本経済が停滞して既に三十年余り。経済を観察して来た人達は以前から危機感を訴えてきたが、政治を観察してきた人達も同様だ。その中で誰もが口を揃えていう事は、「気付いてからでは遅い」ということ。有権者である国民は、政治を我がこととして認識し関心を持つ必要がある。マハトマ・ガンジー曰く、
政府や政治家を批判するだけではなく自分で考えてみよう。人は往々にしてマスコミの報道に振り回され、優柔不断に考えを変える。時の振り子のように決してとどまることがない。弁が立つ人や、根回し上手な政治家をつい支持してしまう。国民にも政府と同様の責任があることをしっかりと胸に刻もう。
政治に関心を持たない、投票しないことで起きることといえば、偏った政治を助長する恐れがあり、専制政治を許してしまうところ。シャルル・ド・ゴール曰く、
政治とはあまりにも重大な事柄なので、政治家に任せておくことはできない。
経済団体や資本家に忖度してみたり、旧統一教会と癒着してみたりと忙しい自民党においてはなおさら任せることは出来ない。不祥事が明るみなってさえ辞任せず居直る政治家がいればなおさらである。気付けば腐敗は進行しており、モラルの欠片もないではないか。ダニエル・オコンネル曰く、
道徳的に不正なことで政治的に正しいものはない。
不道徳が常態化すると、気付かぬうちに格差が出来上がり、ワーキングプアが増えていく。追い詰められると生活のために低賃金でも働くようになり、次第に活力が失われていく。
育む力も失われていき、他国頼みになる等も起きている。供給力を喪失する愚を犯しているのだ。インフラや農業に関わる人が減っていくと、それは亡国に他ならない。気付いてからでは遅い、今すぐ長期計画を立て国家を建てなおさねばならぬ。
国家の崩壊
財政規律だとか、株をやれだとかで国家を維持できるとは夢想も甚だしい。タゴール曰く、
哲学なき政治、感性なき知性、労働なき富、この三つが国家崩壊の要因なり。
マハトマ・ガンジーは「この7つが私たちを破壊する」と次を示した。
労働なき富。
良心なき快楽。
人格なき学識。
献身なき宗教。
理念なき政治。
人間性なき科学。
道徳なきビジネス。
タゴールもガンジーも似たことを言うのは、国や人々の営みを理解していたからだろう。これらは全て、育みと継承がなければ成立しないものばかりだ。自由奔放に適当にやれるものではない。
一定程度の道徳や秩序も必要であり、その必要性を咀嚼している必要もある。教養に然り。なぜ必要なのかを理解する力がなければ、わが国のように政治腐敗と金だけでモノを考える人を生み出してしまうのだ。その者達が力をつけ、国民をコントロールしはじめる。集団自決等と言う輩が既にそれである。浸透させるようにコントロールしはじめるのだ。