育たない国日本
道徳なき政治は破滅への道
黒田官兵衛曰く、
乱世に文を捨てる人は、軍の道理を悟らないから、制法が定まらず、国家の仕置に私心が多く、家人や国民を愛する術がないから、人の恨みが多い。血気の勇だけで、仁義の道がないから、士卒に敬慕の念が欠け、忠義の志が薄くなるから、たとえいったん軍に勝つことがあっても、後には必ず亡びるものである。
これを経営や経済に置き換えても同様だ。ビジネスにおける短期成果主義は目先の結果は出ても、中長期では人も技術も育たず破綻する。経済はこれに連動しており、供給能力が衰えることになる。我が国はずっとこれをやっており、「育む」ことを横着した結果だ。育みとは手間がかかるもの、ここを理解して通らなければ早かれ遅かれ没落するのみである。宮本武蔵曰く、
何ごとも勝つということは、道理がなくて勝つことはできない。
黒田官兵衛も宮本武蔵も道理を必要としたのは、それが重要なものとして認識していたからに他ならない。我が国に道理を持った政治家や経営者が多ければ多いほど、三十年も停滞することはなかっただろう。田中角栄曰く、
政治とは自分たちがメシが食えない。子供を大学にやれない状態から抜け出すことを先決に考えねばならん。理想よりも現実だ。政治とは何か。生活である。
更に曰く、
生命と財産が守れないで、どこに一体政治があるのでしょうか。
道理である。このように考えられるのは、何が大事で何を守らなければならないか、それを判断できる素養があってこそだ。
SDGsだとかコオロギとか牛乳廃棄だとか、道理なき者達が金儲けや名誉欲しさにおっぱじめる。我が国は腐敗の真っただ中にいるのだ。
政治腐敗は 人を殺す
道理なき政治は国民を路頭に迷わせる。孔子曰く、
政治とは、誤りを正すこと。指導者が正しくあれば、民が間違えることはない。
論理的帰結だ。消費税率5%にした際に自殺者を多く出した橋本内閣であったが、増税に賛成する政治家や学者は顧みることが出来ない無能としか言いようがない。ゲーテ曰く、
余は罪と同様に失策を憎む。分けても政治的失策は特に憎む。それは幾百万の人民を不幸のどん底に呻吟(しんぎん)せしめるからである。
政治家や政策立案者は軽々しく政治に関わってはならぬ。道理を弁える術を持たなければ、決して関わってはならぬ。政治家が自分で学ばずナントカ有識者なる団体の言う事を真に受け精査しない。このような政治では背負うものがなく楽をしている無能な政治家を量産するようなものだ。
ただ無能のみならず、一部を潤わす政治を強いる愚行は腐敗の象徴である。道理を持たない者が腐敗させ、その道理を育んで来なかった者も周囲の環境も推して知るべしである。口だけ達者、反対を受ければ強引に物事を進める様は、独裁者のそれだ。無能が権力を持つと害悪である。