「経世済民」同好会  -HatenaBlog支部-

経済とはそもそも略語であり正しくは「経世済民」と言います。それは「世よを經をさめ、民たみを濟すくふ」つまり、民を救うことが含まれます。「経済」とは私たちが救われてこそなのです。 経済成長のために私たちが犠牲を払うことはないのです。そんなことを様々な角度から訴えていこうという有志による同好会です。記事は複数人がそれぞれ好きなように書くスタイルです。

経済同好会新聞 第493号 「不平等なニツポン」

不平等なニツポン

不平等なニツポン

不平等なニツポン

誰のための政治なのか

 非常に不思議なのは、家族ですら考え方や能力に差があり、これを認識していながら社会は十人十色で不確実であることを認識しない者がいるところ。人間皆等しく同等の能力を有しているわけではないため、一律に課税する人頭税のような類には相当慎重にならざるを得ない。一律に課税することは平等のように聞こえるが、人それぞれの能力を無視した暴論である。
 株主至上主義に染まった株主や役員のような資本家からしてみれば、消費税は好ましいことになる。なぜならば、累進課税による所得再分配を出来るだけ抑えたいためだ。所得税最高税率は引き下げられ、法人税率も引き下げられてきたことからも、嘘のトリクルダウンという言説で政治は資本家に忖度してきたことが窺がえる。法人税は株主への徴税であるため、法人税減税は株主への配慮なのだ。我が国はいかに新自由主義的な税制が敷かれてきたか理解できるだろう。
 繰り返すが、人間は十人十色で同じ能力を有していない。そのため、逆累進性のある消費税は廃止することが望ましいのだ。税制は累進課税のみにすることで、実質的に多くが潤うことになり平等が担保される。憲法第三条にはこうある。

 

 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする

 

 つまり、憲法十三条は実質的に平等が享受されるものであり、一律に課税することは平等でも何でもない。むしろ、不平等をもたらす。したがって、人頭税や消費税は憲法十三条を毀損するものだ。ワーキングプアのような貧困層、高齢者であっても貧困で働きに出ている状況からは、我が国の税制は歪んでいると言える。

 

はき違える者達

 常識を超えることと、常識を逸脱することとは異なる。後者は道徳や秩序を破壊しかねず、思想や思考の仕方に偏りが見られる。空海曰く、

 

 つまらない人は、善行と悪行の区別がつかず、その因果も信じることが無い。目の前の利益だけを見ているので、その因果は必ず返ってくる。

 

 ワーキングプアを生み出す政治。ここには税制や構造の歪みがあり悪政である。短期利益を追い求めあまり科学や教育が蔑にされ、中長期的視点がない。これは国家の永続性を考慮に入れない悪行そのものだ。食料安全保障もなっておらず、これらのツケが因果として返っている最中だ。為政者は何が大事で何を守るべきか理解しなければ、国民も国家も守れなくなる。黒田官兵衛曰く、

 

 すべて国を治めていくには、普通の人と同じ心がけでは駄目である。まず、政道に私なく、その上、わが身の行儀作法を乱さず、万民の手本とならねばならない。

 

 我が国の四半世紀は一握りの利益を優先し、国民全体の権益を切り売りする悪行に手を染めてきた。驚くほど大事なものが分かっていないのだ。空海曰く、

 

 ものの道理を見る目が開いていれば、身の回りのものすべてが大事なものだとわかる。

 

 

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