経済同好会新聞 第25号 「政府 認められない現実」
未だ「景気緩やかに回復」に不信感
当新聞第22号で掲載した通り、2019年10~12月の実質GDPは対前期比年率でマイナス6・3%だったにも関わらず、安倍総理は「経済対策の効果もあり基調として緩やかな回復が続く」と今月17日、衆院予算委員会集中審議で見解を示した。
京都大学藤井聡教授によると、「年率6・3%と言えば、一年で35兆円もGDPが縮小するという勢い。それは国民一人あたり、おおよそ30万円ものオカネを失っていくという、途轍もない冷え込みを示しています。」とウェブサイト「新経世済民新聞」に寄稿した。
消費増税がネックか
内閣府が作成する「景気動向指数CI」は2018年の夏から今に至るまで景気回復は見られず、かなりの勢いで下落していることが分かる。「基調は低下」しているとしかこの指数からは読み取れず、安倍総理は誤った見解を示したことになる。
景気後退が台風の影響等と相当に厳しい言い逃れをするのはなぜなのか。安倍政権下では消費増税を2度行っており、その手前、消費税が原因で景気が後退したと認められないのではないか。
経済二重ショック
これから新型肺炎の問題もあり、ますます消費が落ち込むことが懸念される。厚生省からは人混みを避けることやイベント等を自粛するよう国民に求めていることもあり、消費は落ち込むことは容易に推測される。また、国民は消費税10%で計算しやすい数字から買い控える心理が働くため、消費増税と新型肺炎で二重の経済打撃になることは避けられないだろう。
麻生財務大臣は25日の記者会見で、新型肺炎の拡大を受けた追加経済対策については「いますぐ何かを考えているわけではない」との認識を示している。
中国では待機期間中も給料支給・在宅業務に切替え、韓国では隔離者世帯に123万ウォンの生活費支給、シンガポールでは雇用者に支援金マレーシアでは給料全額支給。検査は会社負担、有給病欠とし隔離期間の給料補償。
我が国では新型肺炎は休業補償の対象外としている。
日本国民の検査もままならない中、中国全土からの入国制限はおろか、中国人観光客には医療機関を紹介するサービスを提供するという。
経済のダメージは政府が生み出しているようなものだ。